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盗撮準備行為が規制されていない自治体もある

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都道府県ごとに微妙な違いがある迷惑防止条例

こちらの記事で触れたように盗撮行為を罰するための条文がある迷惑防止条例は都道府県ごとに名称に違いがあるだけではなく、明文化されている規制対象にも微妙に違いがあります。端的に言うと「緩い」自治体があるということです。

最近ではこれを是正する方向の動きがあるようですので見てまいりたいと思います。

盗撮「準備行為」を規制 条例改正案、意見を公募 /和歌山

毎日新聞の地方版に以下の記事が掲載されました。

県警は、撮影機器の高性能化に伴って巧妙化する盗撮行為や、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を利用した嫌がらせ行為の取り締まりを強化する県迷惑防止条例の改正案をまとめた。30日までパブリックコメントを募り、早ければ今年度中に県議会に提案する。

県警生活安全企画課によると、改正案では盗撮目的で写真機を相手に向けたり、設置したりする「準備行為」の規制を明文化。現行の条例では公園や電車など「公共の場所や乗り物」に限定していた盗撮行為の規制場所を、学校の教室やタクシーの車内など「特定かつ多数の者が利用する場所や乗り物」に広げた。
引用元 : 毎日新聞 2016年11月23日 配信

この記事では山形県を例に挙げており、山形県の迷惑防止条例にはカメラを設置したりスカート内にカメラを向けたりといった行為自体を罰する規定がないとしておりましたが、この毎日新聞の記事を見る限りですと和歌山県の迷惑防止条例にも今のところそれがないようです。

実際に確認してみたところ、確かにそういった条文がありませんでした。

和歌山県 迷惑防止条例 第4条

何人も、公共の場所又は公共の乗物において、他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安を覚えさせるような方法で、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
  1. 着衣等の上から、又は直接他人の身体に触れること。
  2. 着衣等で覆われている他人の下着又は身体(以下「下着等」という。)をのぞき見し、又は撮影すること。
  3. 前2号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。
第2項
何人も、公共の場所又は公共の乗物において、写真機等を使用して着衣等を透かして見る方法により、みだりに着衣等で覆われている他人の下着等の映像を見、又は撮影してはならない。
第3項
何人も、公衆浴場、公衆便所、公衆が利用することができる更衣室その他の公衆が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいる場所にいる人に対し、みだりに、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
  1. 姿態をのぞき見し、又は撮影すること。
  2. 前号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。

一方で、例えば東京都では以下のように明文化されています。

東京都 迷惑防止条例 第5条 第1項 第2号

公衆便所、公衆浴場、公衆が使用することができる更衣室その他公衆が通常衣服の全部若しくは一部を着けない状態でいる場所又は公共の場所若しくは公共の乗物において、人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。

このようにカメラをスカート内などに差し向ける行為またはトイレなどに設置する行為を罰する規定がないと、実際に撮影したデータなどの証拠がないと逮捕できないというケースも出てくると見られます。

例えばスマホなどを女性のスカート内に差し入れて盗撮した(と思われる)瞬間が防犯カメラに記録されており、その現場が「公共の場所又は公共の乗物」に該当するケースで考えると、上記の和歌山県の例では「着衣等で覆われている他人の下着等をのぞき見し、又は撮影」したことは撮影した証拠がないと証明できないことになります。

それが東京都の例では「人の通常衣服で隠されている下着又は身体を撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け」たことは防犯カメラの記録で証明でき、逮捕するにあたって実際に撮影したデータなどの証拠は不要ということになるでしょう。

公共の場所や乗り物に限定されない規定へ

また、各都道府県の迷惑防止条例では枕詞のように「公共の場所又は公共の乗物において」と規定されていますが、近年ではこの規定によって限定していた場所の範囲を広げる条例改正の動きも見られます。

毎日新聞の記事でも少し触れられていますが、学校の教室やトイレ、オフィスなどといった場所は誰でも立ち入れるわけではなく、基本的には同じ顔ぶれのメンバーだけが日々集まるので公共の場所とは言えないという解釈だったため、盗撮行為が明白でも迷惑防止条例違反にならないというケースが存在していました。

そういったケースでも建造物侵入が成立する場合は建造物侵入で逮捕されていましたが、例えば自分が普段から仕事をしているオフィス内で盗撮したという場合では、オフィスへの立ち入り自体は仕事という正当な理由があるので建造物侵入にならず、適用できるのがせいぜい軽犯罪法違反といったケースもあります。

それらを漏らさず検挙するために、今回の和歌山県の条例改正案のように他の自治体でも同様に場所をの範囲を広げていくのではないかと考えています。

まとめ

カメラをスカート内などに差し向ける、トイレなどに設置するという行為だけで罰することができる自治体と罰することができない自治体が現在は混在しています。また、盗撮した場所によっては盗撮行為が明らかでも迷惑防止条例違反が適用できない自治体もあります。

これらは後日逮捕の可能性にも影響してくる点ですが、ある意味で緩い規定しかない自治体においても今後は取り締まりの強化のために条例改正されていくでしょう。

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