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盗撮、手口の主流はスマホの消音アプリ悪用 横浜駅が“定番スポット”

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横浜駅での盗撮被害について注意喚起

以前こちらの記事でも取り上げましたが、また横浜駅での盗撮被害への注意を喚起する記事がカナロコにて掲載されています。地理条件や駅構造などいくつかの要因によって神奈川県内でも被害が集中している横浜駅ですが、注意喚起を続けても被害は減っていないように見受けられます。

ことさらスマホにフォーカスするのは逆に危険

撮被害が後を絶たない。県警によると、最近はスマートフォンを使い、特にシャッター音が出ないアプリを悪用する手口が主流だ。13~69歳のスマホの普及率は6割に達しており、持ち歩いても違和感がなく、「盗撮しやすい時代」と県警。画像がひとたびインターネット上に投稿されれば回収は不可能な上、「スカートの中を見たい」から「触りたい」「家の中を見たい」と犯行がエスカレートし、より深刻な被害を招く危険性もはらむ。県警は取り締まりを進めるとともに「自衛を」と注意を呼び掛けている。

(中略)

盗撮の主なツールはスマホだ。県警によると、かつては手鏡や小型ビデオカメラなどが主流だったが、スマホの普及とともに一変。手に持ってスカートの下に差し入れたり、カバンに仕込んで足元に置くなど使い方はさまざまだ。

ただ、「必ずと言っていいほど共通している」(県警鉄道警察隊)のが、シャッター音を消すアプリの悪用。ネット上には多種多様なシャッター音を消すアプリがあり、中には撮影時に画面を黒くしたり、他のページを閲覧しているように偽装したりできるものもある。
引用元 : 神奈川新聞 2016年12月25日 8時3分 配信

これまでの記事でも触れてきていますが、「盗撮と言えばスマホ」のような先入観があるとそれ以外の方法での盗撮に目が届きにくくなるように考えています。確かにスマホの普及で盗撮に関する環境が一変し、スマホでの盗撮が件数として最も多い現実があるので仕方ない面もあります。

しかし「画像がひとたびインターネット上に投稿されれば回収は不可能」と記事にあるように盗撮に関してはネットへの投稿や販売を積極的に取り締まっていくフェーズに移行する必要があると考えており、そうした動画等の多くは鞄や靴に巧妙に隠し入れられた高性能な小型カメラで撮影されています。

被害件数が多いスマホでの盗撮への警戒も重要ではありますが、そればかり言っていると「ベテラン」に目が行かなくなってネットへの投稿や販売といった被害も増え続けることになるかもしれません。

なお、盗撮から痴漢やストーカー行為等へ犯行がエスカレートする可能性についても指摘されていますが個人的にはちょっと懐疑的です。盗撮以外の性犯罪にも及ぶのはもともとそういった性的嗜好を持っている人で、盗撮する人の中での割合としてはごく一部でしょう。

被写体となるターゲットに気づかれることを何より避けたいという人がほとんどで、これまで見聞きしてきた情報や触れてきた人たちを見ても被害者に気づかれる他の性犯罪は怖くてできないという人ばかりでした。

もちろんそこからエスカレートする人もいるでしょうが、それを言い出すと空き巣のような窃盗から居直り強盗や強盗殺人に発展する可能性(というか事例)もあります。もともとそういった性的嗜好を持っている人であれば盗撮というものに触れていなくてもそのうち他の性犯罪に及ぶでしょう。

手口が巧妙化している可能性も

県警鉄道警察隊によると、県内の県迷惑行為防止条例違反容疑(盗撮、痴漢、のぞき込みなど)の検挙件数は2014年が1148件、15年が1054件。横ばいで推移する中、盗撮容疑が8~9割を占める。

県内54署中、盗撮容疑の検挙件数が最も多いのは戸部署管内。条例違反容疑全体の2割程度を占め、その大部分が“盗撮の定番スポット”として知られる横浜駅での犯行だ。

同駅での検挙件数の多さについて、同署は「混雑しており、人混みに紛れて盗撮しやすいのでは」と指摘。同隊は「ネット上で盗撮しやすい場所として紹介されている」と明かす。ネットを見て犯行場所に選んだ容疑者もいたという。
引用元 : 神奈川新聞 2016年12月25日 8時3分 配信

盗撮被害が横浜駅に集中していることを示していますが、スマホの普及状況が飽和状態に向かっている上でネット上での情報交換等もしやすくなっている状況の中、検挙件数が横ばいで推移しているという点が若干気になります。

取り締まりや注意喚起の強化で被害の増加を抑えているという見方もできますが、手口が巧妙化していて検挙どころか認知もできていない分が増えている可能性もあるのではないでしょうか。定番スポットというイメージが定着して盗撮する人が集まってきている横浜ですらそういった理由で横ばいに留まっているとしたら他の地域での被害はそれこそ深刻です。

「ネット上で盗撮しやすい場所として紹介されている」とあるようにこういったイメージが定着するとそれを払拭するまでは被害が減りません。どうにか払拭できたとしても盗撮のターゲットが多く集まる場所ということには変わりないので、スマホで盗撮する人を隠れ蓑にして巧妙な方法で盗撮する人は絶えないでしょう。

「すぐに分かる」という割には…

また、狙われるのは「スカートの中」にとどまらない。性的嗜好(しこう)はさまざまで、スマホに1万枚以上の「女性の脚」の撮影データが残されていたケースも。同署は「検挙されるのは氷山の一角。実際の被害は天文学的な数字かもしれない」と危機感を強める。

(中略)

手口は巧妙化しているものの、「ミニスカートを目で追い、エスカレーターで真後ろに立つなど、盗撮犯の動きは怪しいのですぐに分かる」と同隊幹部。特にエスカレーター利用時が狙われやすく、県警は「後ろを振り返ったり、体の向きを斜めにしたりと注意することで、盗撮を防ぐことができる。取り締まりとともに一緒に被害をなくしていきたい」と話している。
引用元 : 神奈川新聞 2016年12月25日 8時3分 配信

警察24時のような番組で盗撮が取り上げられる際にもよく出てくるフレーズで「盗撮犯の動きは怪しいのですぐに分かる」とされますが、すぐに分かるという割には「検挙されるのは氷山の一角」としていてチグハグな印象があります。

「怪しいのですぐに分かる」という自負には誤りはないのでしょうが、警察のリソースの問題などもあってか勇ましい言葉の割に実際の被害件数のごく一部しか検挙できていない現実があります。

これでは盗撮する側も「手際の悪いやつがたまたま捕まっただけ」と考えて横浜の盗撮に関するイメージを払拭するのは困難でしょう。「横浜で盗撮したら絶対捕まる」と思われるくらい厳しい取り締まりを行って被害を減らしてほしいと感じます。

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