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【社説】教員の盗撮事件 子ども守る対策の徹底を

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 子どもを狙った教員の犯罪が続発している。卑劣な行為に言葉もない。

 女子児童が着替える様子などを盗撮し、画像や動画を交流サイト(SNS)のグループチャットで共有していたとして、名古屋市と横浜市の小学校教員の男2人が逮捕された。性的姿態撮影処罰法違反の疑いが持たれている。

 チャットには教員とみられる約10人が参加し、集団で楽しむように悪質な犯罪を繰り返していた。関わった全員を厳しく処罰するのは当然だ。

 警察には事件の全容解明はもちろん、勤務地が異なる教員たちがSNSのグループに集まった経緯を明らかにしてほしい。あらゆる角度から検証し、再発防止策を強化しなくてはならない。

 安心、安全に過ごせるはずの学校で犯行が重ねられていた。子どもたちの精神的ショックは計り知れない。

 盗撮は性暴力で、被害者は生涯にわたり心に傷を負う。信頼する身近な大人である教員への不信に悩み、自分が被害に遭ったかもしれないといった不安で苦しんでいるに違いない。スクールカウンセラーらによるケアが必要だ。

 この事件が発覚した直後にも、福岡県や広島県で女子生徒、女子児童に対する性暴力で教員が逮捕された。教員や塾講師らが子どもにわいせつな行為をする事件は後を絶たない。

 子どもと接する仕事に就く人の性犯罪歴を雇用主側が確認する「日本版DBS」の運用が2026年に始まる。犯歴で職業選択を制限することになるが、子どもの安全を第一に考え、慎重かつ適切な運用を求めたい。

 性犯罪歴のある教員を子どもから遠ざけることはできても、初犯は防げない。

 採用面接で性的嗜好(しこう)を見抜くのは困難といわれる。塾で設置が進む防犯カメラを学校でも活用すべきではないか。着替えは教室でせず、外部の視線を遮る更衣室を設ける。複数担任制にして教室内の大人の目を増やせば、パワハラやいじめ対策にも有効だ。

 今回の事件は、SNSのグループに入っていた他の教員が別のわいせつ事件で逮捕されていなければ、明るみに出なかった可能性がある。

 同じ学校の教員間で不審な言動に注意を払うとともに、ちょっとした変化に敏感な子どもの声をくみ取る仕組みづくりを急ぎたい。

 職業倫理を著しく欠く教員がいる現状は、教員のなり手不足と関係しているとの指摘もある。長時間労働が敬遠され、採用試験の応募者減少は深刻さを増している。

 教員の質を高めるには、処遇の改善と働き方改革が欠かせない。先の国会で、残業代の代わりに支給する教職調整額を段階的に引き上げる改正法が成立した。教員を増やす検討も必要だ。

 事件の再発防止と人材確保は、教育現場への信頼を取り戻す両輪である。

西日本新聞 - 2025/07/15 09:00


 

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