盗撮の被害者と聞いたとき、女性を思い浮かべる人は多いだろう。しかし、盗撮の対象になるのは女性だけではない。男性を狙って盗撮を繰り返す加害者も存在する。
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一方で、多くの男性は、自分自身が「撮られる側」になることをほとんど想定せずに生活している。実際に男性を狙う盗撮加害者と向き合った専門家もまた、その事実によって、それまで意識してこなかった自身の日常を振り返ることになった。
西川口榎本クリニック副院長としてさまざまな依存症治療と向き合ってきた斉藤章佳氏の新書『校内盗撮』(集英社インターナショナル)から、盗撮をめぐる事例や問題を全3回にわたって紹介する。第3回は、男性を狙う盗撮加害者の事例と、男性が見過ごしがちな盗撮被害について一部抜粋する。【全3回の第3回。第1回から読む】 * * * エスカレーターで背後をそれとなくうかがう。駅のトイレの個室で不審な荷物がないかチェックする……。たとえ盗撮などの被害に遭ったことがなくても、これらをほぼ無意識レベルで行っている女性は多いといいます。なかには、「そもそも不特定多数の人が利用する駅のトイレは、絶対に使わない」という人すらいるようです。
一方、私を含めた男性はどうでしょうか。エスカレーターで背後に意識を向けることがなければ、駅のトイレで盗撮カメラの有無をチェックすることも、ほぼありません。そもそも、「盗撮をおそれて、公共トイレの利用を控える」という発想をする男性は、ほぼいないでしょう。盗撮に怯えなくていいこの状況こそが、「男性の特権」に他なりません。
特権というと、何か大きな得をしているように聞こえますが、社会学的には「ある特定の属性に属しているだけで、労なく享受できる、構造的な優位性」を指します。簡単にいうと、「面倒なことをわざわざ考えなくてもいい」状態、これが特権です。
たまたま男性だったというだけで、何も考えずに駅のトイレを利用できる。盗撮被害について「撮られたって減るもんじゃないし」と無関心でいられる。女性が日常的に行っている防犯対策をしなくていい。この「当たり前」こそが、男性が享受している特権なのです。
NEWSポストセブン – 2026/09/22 15:59