小学校教諭2人が児童の盗撮画像をSNSで共有していたとされる事件が起きた名古屋市で18日、またも教員が盗撮しようとした疑いで逮捕された。記者団の取材に応じた広沢一郎市長は「社会問題化している中でこういうことをするのは、尋常ではなく、まともな神経であれば起こりえない」と怒りをあらわにした。
「人ごとで、我がことだと考えられなかった」 市を挙げて再発防止に取り組む中、県迷惑行為防止条例違反の疑いでこの日、県警に逮捕された40歳の男性教諭は、市教育委員会の聞き取りにこう話したという。
逮捕を受け、記者会見した市教委によると、この教諭は2011年4月に採用。中川区内の小学校には20年4月から勤務し、理科の専任教諭として授業を担当し、担任は持っていなかった。
教諭は今月12日午後1時45分頃、授業前だった理科室の長机の下に小型カメラを設置。児童にすぐ発見され、報告を受けた教諭はその場で撤去した。3連休明けの16日朝、保護者が学校に報告。学校側の聞き取りに、教諭は「不審物は学校のゴミ箱に捨てた」と設置を認めなかった。ところが、17日朝になり、「不審物は盗撮目的のカメラだ」などと一転認めたため、学校が中川署に通報した。
市教委の聞き取りに、教諭は「以前にも同校に盗撮目的でカメラを設置したことがある」と認めた。ただ、画像などの外部流出については「していない。自宅で保管していた」と説明したという。
市教委は一連の盗撮事件を受け、7月から全市立学校で隠しカメラの有無を調査。教諭が務める小学校でも2回にわたって調べたが、発見できなかった。このうち1回の調査には教諭も加わっていた。現段階で、盗撮画像を共有したSNSグループとの関係は確認されていない。
一方、開会中の市議会9月定例会では、議案外質疑で、一連の事件に関して、沢田仁実市議(自民)が質問に取り上げた。
沢田市議は「児童生徒を守り育てる立場にある教員が、立場を悪用して性暴力を行うことは言語道断」と批判し、市の再発防止策などをただした。
杉浦弘昌教育長は「社会全体に大きな不安と不信感を与え、本市の教育行政に対する信用を損ない深くおわびする」と陳謝し、今年度中に市立学校に隠しカメラを探知する設備を導入する方針を明らかにした。
読売新聞オンライン - 2025/09/19 11:41