子どもと接する職業を対象に性犯罪歴の確認を義務付ける「日本版DBS」。来年末からこの制度が始まるのを前に、政府がきょう、ガイドライン案をとりまとめました。性犯罪を防ぐ切り札となり得るのでしょうか? 神奈川県相模原市の閉校になった小学校。
記者 「こちらでは、学校に設置された隠しカメラを探すための講習が行われています」 警察OBなどの市の職員が手に持っているのは、カメラの探知機です。棚にあるスマホのカメラに近づけると。カメラが発する電波を感知し、ランプが赤く点滅しました。
相模原市教育委員会 鹿志村純一さん 「こういう木製のロッカーですね。分からないような小さい穴、そこにもカメラを仕掛けられますので。あとはコンセントですね。これ自体にカメラが仕掛けられていることもあります」 相模原市では、教員による小学校での盗撮事件が発覚し、先月から探知機を使って学校の「抜き打ち点検」を始めたのです。
後を絶たない教職員による性犯罪。
国会では去年、「こども性暴力防止法」が成立し、子どもと接する職業を対象に、性犯罪歴の確認を義務付ける「日本版DBS」の導入が決まりました。
きょう、検討会がとりまとめたガイドライン案によりますと、対象となるのは学校や、保育所、児童相談所などで働くおよそ280万人。事務職員や送迎バスの運転手などを対象とするかは現場で判断します。
また、国の認定を受けた学習塾やスポーツクラブなども対象となります。
さらに、ガイドライン案では「犯罪の抑止」にも言及。抑止には「防犯カメラ」が有効だということですが、プライバシーへの配慮などを理由に設置が進んでいないのが実情です。
都内にある保育園。5年前の開園当初から防犯カメラを設置しています。
おおわだ保育園世田谷豪徳寺 馬場睦代 園長 「全部で16台設置しています。子どもが曖昧な記憶の中で発言したことを正確に捉える意味でも防犯カメラが必要かと考えています」 心がけているのは、「できるだけ死角を作らないこと」。さらに、映像の管理にはルールを設けています。
おおわだ保育園世田谷豪徳寺 馬場睦代 園長 「こちらで防犯カメラが見られるようになっています。個人的に開示することはしていないので、限られた人にしか操作の仕方は伝えていません」 防犯カメラの設置について、保護者は。
保護者 「安心感はすごくあると思う。しっかり管理していただいて、流出がないようにしてもらいたい」 「きちんと多くの目で見てくださっている気持ちのほうが強い」 園長は、「防犯カメラ」は子どもを守るための対策の一つに過ぎず、常に周りの目が届く環境づくりが大事だと言います。
おおわだ保育園世田谷豪徳寺 馬場睦代 園長 「『保育している現場を誰に見られてもいい状況でないといけない』と、常日頃から話をしていますので、いかにオープンにしておくかが大切」 「日本版DBS」は来年末から始まる予定です。
TBS NEWS DIG Powered by JNN - 2025/12/22 18:12