先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。
ゴールデンウィーク期間中ではありましたが、新型コロナウイルス感染症の影響による緊急事態宣言発出とその期間延長が決まっており引き続き外出が控えられています。よく盗撮事件が発生する場所への人出が限られているためか先週も盗撮に関するニュースはほとんどありませんでしたが、一方で前回の記事でも述べたような自宅にいるところを狙った盗撮は発生しているようです。
今回のニュース見出し
（東京）町田市金森３丁目で風呂場盗撮の疑い ５月５日深夜
警視庁によると、５日午後１１時２８分ごろ、町田市金森３丁目の住宅で女性への風呂場盗撮の疑いが発生しました。（実行者の特徴：不明）
■実行者の言動や状況
・風呂場の窓から、入浴中の女性に携帯電話を向けた。■現場付近の施設
・南中学校、神奈川県立上鶴間高校、スーパー三和小川店、スターバックスコーヒー町田金森店、境川
引用元 : 日本不審者情報センター 2020年5月7日 15時55分配信
前回の記事で熊本県における風呂盗撮の注意喚起情報を取り上げていましたが、東京都でも同様の事例があったようです。先の記事での風呂盗撮も今回も盗撮に気付いて警察に届け出た分という事になりますので、似たような状況で盗撮されている事に気付いていないケースが相当出ているのではないかと窺われます。
不要不急の外出を避けるようになっている事に加えて4月5月と気温が上がって暖かくなってきており、日によっては既に暑いと感じる程になってもいますので風呂や自室の窓を開けっ放しにしていたり施錠していなかったりしている人もいると思われますが、外出せずに自宅にいるからこそ留意すべき防犯があると言えます。
なお、この情報を見る限りですと事件化した場合の容疑としては「風呂場の窓から、入浴中の女性に携帯電話を向けた」という事になりますが、被疑者が現場から逃走して捕まっていなければ女性に向けた携帯電話で撮影までしていたのかどうかは判断できません。
あくまで盗撮目的でカメラを向けたという盗撮準備行為に留まるわけですが、東京都の迷惑防止条例でも盗撮目的でカメラを向けるだけでアウトになる規定がありますので捕まれば迷惑防止条例違反で処罰される事になると思われます。
東京都 迷惑防止条例 第5条 第1項
- 公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。
- 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。
(イ) 住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所(ロ) 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物（イに該当するものを除く。）
- 前2号に掲げるもののほか、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、卑わいな言動をすること。
この情報から刑事事件になれば現場は浴場という事になりますので第2号(イ)に該当すると考えられます。また、住宅の風呂場となるとその窓から携帯電話を入れて盗撮しようとすると普通は敷地内に立ち入る事になりますので住居侵入も加えられる可能性があります。
「実行者の特徴：不明」とされていますので被害者からはどんな人だったのか見えなかったのかもしれず、捜査する上ではおそらく周辺の防犯カメラ等を調べる事になりそうです。実際に被疑者を特定して捕まえる事ができるかどうかは不透明ですが、もし検挙できれば処分としては30万円から50万円程度の罰金が科される事になるのではないでしょうか。