千葉県内の公立中学校3年生の男子生徒が今年、修学旅行先の宿泊施設の浴場で女子生徒をスマートフォンで盗撮する事案が起こった。管轄する教育委員会などへの取材で分かった。男子生徒はデータを友人に共有したり、画像を別の同級生に見せ金銭のやりとりをしたりもしていた。
同教委によると、データは削除され、インターネット上への拡散は確認されていないという。同教委は警察やスクールロイヤー、県教委と連携しながら対応するとともに、被害生徒のケアを行っていくとした。
修学旅行では記録用に学校側から生徒へレンタルのスマホが貸し出されていた。
男子生徒はレンタルスマホで撮影した動画のデータを、友人の男子生徒から私物スマホを借りて写真撮影。友人や自身のスマホに共有した。修学旅行に私物のスマホを持ってくることは禁止されていた。
盗撮したとされる男子生徒は撮影した画像を複数の同級生に見せ、その際に金銭のやりとりがあったという。
修学旅行後、この事態を心配した生徒が学校に伝え、発覚した。学校側は関係する生徒に聞き取りを行い、保護者に伝えたという。
レンタルスマホのデータは男子生徒自身が返却前に削除していた。私物スマホに残っていたデータは教諭と保護者の立ち会いの下、削除された。
発覚後、盗撮したとされる男子生徒は保護者の判断で休んでいるという。同校はデータを受け取ったとされる男子生徒を別室登校させている。
管轄する警察署は取材に対し、「ネット上への流出は確認されなかった」と答えた。
この事態を受け、学校は学年集会を開き、噂(うわさ)話や関係者を特定するような行為は二次加害行為につながると伝えたという。聞き取りが進んだ後、改めて学年集会を開いて生徒に説明し、同日保護者会も開いた。着替えを伴うため水泳の授業を取りやめるなどの対応も取った。
部屋の位置関係も盗撮の一因になったため、同教委は来年度の修学旅行について部屋の割り振りなどを考慮していくという。
同教委の担当者は「被害生徒のケアに努めるとともに、盗撮した男子生徒らへの指導を行っていく。再び起きないようにしていく」と話した。
千葉日報オンライン - 2025/08/08 19:01