先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。
コンビニ店で17歳少女のスカートの中をスマートフォンで…47歳の無職男を逮捕
白河警察署は6月14日、県迷惑行為防止条例違反の疑いで、福島県泉崎村の無職の男(47)を逮捕したと発表した。
警察によると男は4月15日に白河市内のコンビニ店で17歳の少女のスカートの下方にスマートフォンを差し入れ、卑わいな言動をした疑い。不審な男がいるとコンビニ店からの届け出をうけて、警察が捜査をした結果、男の容疑が固まったことから逮捕した。
警察は盗撮目的とみて調べを進めている。
引用元 : 福島テレビ 2021年6月14日 14時0分配信
コンビニ店内での盗撮事件です。ただし、逮捕容疑がスカートの下にスマホを差し入れて卑わいな言動をした疑いとされているので実際に撮ったかどうかまでは確認できていないようです。
4月15日に起こした事件のようですのでそこから逮捕まで2か月程度かかっている後日逮捕と見られます。当日に現場で取り押さえるなどしてスマホを押さえていれば撮っていたのかどうかは確認できているはずですので、スマホを差し入れた疑いまでに留まっているという事は現場で押さえる事はできておらず防犯カメラ等で差し入れた事を確認したという事かもしれません。
尤も、届け出があったという事はスマホを差し入れた事が被害者や店員などに気付かれていたのでしょう。捕まえようとして逃げられたのか、被疑者は気付かれていた事を知らないまま現場から立ち去ったのか、その辺りはわかりませんが、その後警察は2か月程度かけて被疑者を特定して今回の逮捕に至ったようです。
ただ、福島県の迷惑防止条例では公共の場所において盗撮目的でカメラやスマホなどをスカート内に差し入れる盗撮準備行為が処罰の対象としては明記されていません。
福島県 迷惑行為等防止条例 第6条
- 着衣等の上から、又は直接他人の身体に触れること。
- 着衣等で覆われている他人の下着又は身体(以下「下着等」という。)をのぞき見し、又は撮影すること。
- その他卑わいな言動をすること。
何人も、公共の場所又は公共の乗物における他人に対し、みだりに、写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下「写真機等」という。)を使用して着衣で覆われている他人の身体を透視する方法により、裸体(その一部を含む。以下この項において同じ。) の映像を見、又は裸体を撮影してはならない。
何人も、みだりに、住居、浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所において、当該状態でいる他人の姿をのぞき見し、若しくは撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向け、若しくは設置してはならない。
何人も、みだりに、集会場、事務所、教室、貸切バスその他特定かつ多数の者が利用するような場所(公共の場所を除く。)又は乗物(公共の乗物を除く。)において、下着等を撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向け、若しくは設置してはならない。
風呂やトイレ、或いは事務所や教室などの公共の場所以外においては盗撮準備行為の禁止について明記されていますが、公共の場所ではそれがありません。そのため、この事件では第1項第3号に基づいて逮捕していると見られます。尚、言動というのは必ずしも言葉として口に出す事だけを指している訳ではなく、無言の行動でもこれに含まれます。
実際に盗撮していたのかどうかを確認するにはスマホに盗撮データが残されていてそれを確認するのが手っ取り早いですが、2か月程前の話ですので逮捕時までに残っていたかどうかは不透明です。逮捕したからには防犯カメラ映像等の、スカート内にスマホを差し入れた客観的な証拠はあると思われますが、実際に盗撮した事については立証できない可能性もあります。
実際に盗撮していた裏付けまでできれば罰金としては30万円程度となるでしょうが、それができずスカート内にスマホを差し入れた事を卑わいな言動と捉えてそれに留まるようであればそれ以下の額になるのではないでしょうか。
盗撮容疑で逮捕の元市議 わいせつ容疑で再逮捕 静岡・富士宮市
小学生のスカートの中を盗撮したとして逮捕された静岡県の元富士宮市議の男が、別の女児にわいせつな行為をしていたとして16日再逮捕されました。
再逮捕されたのは富士宮市の元市議会議員(40)で、2018年に県東部で小学生の女の子にわいせつな行為をした疑いが持たれています。
警察は別のわいせつ事件を捜査する中で、さらに別の女の子のスカートの中を盗撮した疑いで5月逮捕しており、携帯電話の解析などから新たに今回の事件が浮上したということです。
警察は容疑を認めているかどうか明らかにしていません。
引用元 : テレビ静岡 2021年6月16日 12時11分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。
先月の記事で取り上げていた市議会議員による女児わいせつと盗撮の事件の続報です。前回までは別の強制わいせつ事件の捜査で押収した携帯電話から盗撮データが出てきて迷惑防止条例違反で逮捕されていたようですが、今回更に別の女児に対するわいせつ行為により再逮捕されたとの事です。
正に芋づる式と言える様相を呈しており、きっかけとなった女児への強制わいせつ事件から数えると少なくとも既に3人の被害女児が登場しています。
押収した携帯電話から盗撮データが出てきた事で迷惑防止条例違反で逮捕されていましたが、今回同じく携帯電話の解析などから更に別の女児へのわいせつが発覚したとの事ですので、わいせつ行為に及んでいる様子を携帯電話で撮影していてそのデータも出てきたという事なのでしょうか。
認否を明らかにしていないとの事なので否認しているという事もあり得ます。今回再逮捕されたのは2018年に起こした事件のようなので割と時間が経っており、白を切っているとかそれができるか考えるために黙秘しているという可能性もあります。
しかし、携帯電話の解析から浮上した事件となるとおそらくデータが出てきているのだろうと思われ、そうした証拠があるならば認めずにいても苦しくなってくるのではないでしょうか。否認又は黙秘していてもその内認めるのではと感じられます。
盗撮やわいせつがこれだけなのかという事も誰しも思うところで他にも余罪が発覚してくる可能性もありますが、既に逮捕されている盗撮とわいせつだけでも罰金の見通しは暗く、公判請求は避けられないように思えます。他にも強制わいせつの余罪が出てくるようだと場合によっては執行猶予も付かない判決になる事もあり得るのではないでしょうか。
自分が勤務するコンビニの女子トイレに盗撮目的でスマホを設置 49歳従業員の男を逮捕 北海道北斗市
北海道北斗市のコンビニエンスストアの女子トイレに盗撮目的でスマートフォンを設置したとして、49歳の男が逮捕されました。
逮捕されたのは北斗市の49歳のアルバイト従業員の男です。
男は17日、北斗市内のコンビニエンスストアの女子トイレに、盗撮目的で撮影機能付きのスマートフォンを設置した北海道迷惑防止条例違反の疑いが持たれています。警察によりますと、男はこの店の従業員で、調べに対し「盗撮目的だった」と容疑を認めているということです。
18日の正午すぎ、この店の店長が女子トイレにスマートフォンが設置されているのを発見し、警察に通報。駆け付けた警察官が防犯カメラの映像などから、店にいた男を逮捕しました。
警察は、男のスマートフォンを解析するなどして、余罪についても調べています。
引用元 : HBS北海道放送 2021年6月18日 20時23分配信
コンビニでのトイレ盗撮事件ですが、逮捕容疑が盗撮目的でトイレにスマホを設置した疑いとされているので盗撮準備行為という事になります。しかし、設置したのが17日で発覚したのが翌日18日の正午との事なのでその間に誰かしらトイレを使用しているのではとも思われますので、逮捕した時点では実際に撮っていた事をまだ精査していないだけなのかもしれません。
被疑者はそのコンビニで働いてる従業員だったようで、通報で駆け付けた警察官が防犯カメラを確認して特定したようです。トイレ内に防犯カメラは無くともコンビニならトイレへの出入りは必ず防犯カメラが捉えているはずで、発覚すればカメラの持ち主は分からずともトイレへの出入りの確認により間違い無く疑いの目は向けられるはずです。
現場で働いていてそんな事にも考えが及ばなかったのかと感じてしまうところですが、これが初めてではない可能性もあるので案外何度かやっていてもバレずに続ける事ができていたという事なのかもしれません。設置から発覚までの1日程度の間に誰もトイレを使用していなかったとも思えず、それなりに上手く隠し撮りできていたという事もあり得ます。
北海道の迷惑防止条例ではトイレにおける盗撮行為も盗撮準備行為も処罰の対象ですので盗撮できていなくても設置しただけでアウト、盗撮できていても勿論アウトです。
北海道 迷惑行為防止条例 第2条の2
公共の場所又は公共の乗物にいる者に対し、著しく羞恥させ、又は不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をすること。
- 衣服等の上から、又は直接身体に触れること。
- 衣服等で覆われている身体若しくは下着をのぞき見し、又は映像面に衣服等を透かして身体若しくは下着の映像を表示する機能を有する機器を使用して当該映像を見ること。
- ア及びイに掲げるもののほか、卑わいな言動をすること(次号に掲げる行為を除く。)。
公共の場所若しくは公共の乗物又は集会場等(集会場、事務所、教室、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用するような場所及び乗物をいい、公共の場所及び公共の乗物を除く。第4号において同じ。)にいる者に対し、著しく羞恥させ、又は不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をすること。
- 衣服等で覆われている身体又は下着を撮影すること(次号に規定する状態の他人に対して行う場合を除く。)。
- アに掲げる行為をするため、写真機、ビデオカメラその他の撮影する機能を有する機器(次号及び第4号において「写真機等」という。)を向けること。
住居、浴場、便所、更衣室その他の人が衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所(以下この号及び次号において「住居等」という。)における当該状態の他人の姿態を撮影し、又はこれを撮影するため写真機等を住居等における当該状態の他人に向けること。
公共の場所若しくは公共の乗物若しくは集会場等にいる者の衣服等で覆われている身体若しくは下着又は住居等における前号に規定する状態の他人の姿態を撮影するため、写真機等を設置すること。
現場がトイレですのでこの事件では第3号に該当していると考えられます。尚、盗撮が規制される場所としてのトイレについては公共の場所や公衆が利用できるトイレといった制限はありません。
今後は盗撮目的でスマホを仕掛けていた盗撮準備行為に留まらず盗撮に至っていたかどうか、余罪があるかどうかなどの捜査になると思われますが、盗撮準備行為に留まるようであれば30万円までの罰金、実際に盗撮するに至っていたのであれば50万円までの罰金といったところではないでしょうか。