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「盗撮」防止へ撮影制限、熊本のスポーツ団体の本音は? 広がる規制の動き、後絶たない違反と反発

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 女性アスリートのユニホーム姿の「盗撮」や写真・動画の悪用を防ぐため、観戦者の撮影を制限する動きが熊本県内のスポーツ大会でも広がっている。ただルールを守らない観戦者は後を絶たない上、規制を強めると反発も大きく、大会運営側も〝規制の線引き〟に頭を悩ませている。

 4月26、27日、熊本市東区のえがお健康スタジアムであった陸上の県選手権。プロカメラマンの江田雅浩さん(60)=熊本市西区=は、主催者指定の撮影エリアでシャッターを切っていた。躍動感あふれる写真は交流サイト(SNS)で好評。写真を譲るのは、本人や家族と確認できた場合にのみ応じているという。

 江田さんは「選手の尊厳を守ることが大事。性的な要素を強調した撮影や投稿は腹立たしい」と憤る。

 この大会を主催したのは熊本陸上競技協会。2020年ごろから、主催大会での撮影規制を始めた。日本オリンピック委員会などが出した、性的撮影などの被害撲滅に向けた共同声明を受けた規制。同協会は段階的に厳しくしてきたというが、沢田修競技部長(58)は「選手を守りつつ、大会を楽しむ雰囲気も壊さない規制にするのは本当に難しい」と打ち明ける。

 実は、県選手権から約2週間前の金栗記念選抜中長距離熊本大会で〝混乱〟があった。望遠レンズ付きカメラやビデオ撮影には事前申請を求め、撮影場所も厳格に指定したが、申請せずに指定場所外でカメラを構える人が続出。保護者などから「規制が厳しすぎる」「事前申請を知らなかった」「なぜ違反者を取り締まらないんだ」など苦情が多数寄せられたという。

 これを受け県選手権では事前申請をやめ、撮影場所の制限も緩和した。沢田部長は「撮影者に声をかけると激高されることもある。違反を監視するにも人員が必要で、対応に悩んでいる」と吐露する。

 スポーツ庁は24年7月、アスリートの性的ハラスメントや誹謗[ひぼう]中傷防止の対策に関する調査結果を公表。回答があった120団体のうち、69団体が「何らかの対策」を実施。しかし「盗撮かどうかの判断が難しい」「撮影機材のマイクロ化で発見が難しい」など課題の声も上がった。

 撮影規制の線引きを変えてきたのは熊本陸協だけではない。熊本県水泳協会は役員7~8人が観戦席を巡回、更衣室にも監視役を常駐させ、選手を含めてスマホ利用を禁止して盗撮を監視しているという。以前は氏名や連絡先の記入を求めて撮影許可証の発行をしていたが、現在は実施していないという。

 熊本県体操協会も事前許可制や撮影場所の制限を設けている。会場アナウンスでもルール徹底を呼びかけているが、選手などからは「不審な動きをする人がいる」との声がなくならないという。

 こうした事情もあり、新体操では県大会以上の大会で、委託業者以外、チームメートや保護者を含めて撮影禁止することが主流になったという。

 田中孝典理事長(51)は「競技者目線では、画像や動画は技術の習得に役立つ側面もあり、規制の線引きが悩ましい。選手を守るため、関係機関と連携したい」と話した。(岡本遼)

熊本日日新聞 - 2025/05/07 09:15


 

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