スマホ盗撮はなぜ危ないと言えるか
先の記事では盗撮においてなぜスマホが多く使われるのかといった点について触れたので、今回はどういったところに危険性があると言えるのかについて見てまいります。
なお、先の記事と同様にスカート内盗撮に関する話とし、顔や全身を密かに撮影するといった行為には触れません。また、スマホを使っていても鞄などに巧妙に隠し入れて盗撮する形のものも、スマホで盗撮といった場合の一般的なイメージの範疇を超えていると考えられますのでここでは触れません。
あくまで一般的に想像される、スマホをスカート内に差し向けるといったスタイルを想定しています。
スマホ盗撮の具体的な危険性
先の記事では犯罪白書に掲載されているデータから、検挙された事件の7割がスマホやカメラ付き携帯電話による盗撮として、いかに多くの盗撮事件でスマホが使われているかをご紹介しました。
この件数の割合についてはもちろんスマホを盗撮に用いる人が多いから件数も多いと言えますが、単に圧倒的なシェアを持っているからという理由だけでこれだけ多いわけではありません。スマホでのスカート内盗撮においては他の方法と比較して見つかりやすい、要するに盗撮する側にとっては危険と言える要因があります。
代表的なものとしては以下の要因を考えています。
スマホ盗撮の危険要因
- 盗撮→スマホというイメージが定着している
- 行為中の体勢で明らかに盗撮だとわかる
先の記事の盗撮にスマホを使い続ける理由でも触れたように当人らに対してはどれだけ「捕まるよ」と言っても響かないのかもしれませんが、これらについて1つずつ見てまいります。
盗撮→スマホというイメージが定着している
これはスマホ以前の携帯電話にカメラが搭載され、それによる盗撮が社会問題化し始めたときからの話ではありますが、盗撮といえばスマホというイメージが一般的に定着していることが挙げられます。
もちろん鞄や靴などに小型カメラを隠し入れたりするケースや、ペン型や腕時計型などのカモフラージュカメラの存在も認知されてはいるものの、普通の人は社会生活を送る上で自分が盗撮を含めて何らかの事件に巻き込まれるとはあまり考えないもので、そういったときに巧妙に隠されたカメラが自分を盗撮しているかもしれないという注意はなかなかできないものです。
盗撮している人においても想像してみてもらえればわかりやすいと思うのですが、通勤中や買い物などをしているとき、盗撮から離れて社会生活を送っているときなどで、「あの人の胸ポケットのペンがカメラかも…」とか「あの腕時計がカメラかも…」とか考えるよりも、電車などでスマホを立てて見ている人の方が気になるはずです。
そうした深層に定着したイメージがあると、スマホを持ったままで不審な動きをしているのを見ればピンと来る人も多いでしょう。動きが不審と感じる基準は人それぞれですが、盗撮の定番ツールとなったスマホがそこに加わればその基準のハードルも下がります。
また、これについては摘発する側の警察においても同様です。巧妙に隠されたカメラに対する警戒も欠かしませんが、スマホを持ったままスカートの短い女性に続いてエスカレーターに乗るなどのような鉄板のシチュエーションを目にすれば、対象のマークに動くまでの心理的なハードルは間違いなく下がることでしょう。
行為中の体勢で明らかに盗撮だとわかる
カモフラージュの巧拙よりも挙動が重要というのはベテラン盗撮者がよく口にします。これは確かにその通りで、どれだけうまくカメラを隠すことができていても挙動不審では逆に注目を集めることになりかねません。
しかし、スマホをスカート内に直接差し向けるといった行為は挙動以前の問題で、傍目には誰が見ても盗撮だとわかる体勢になります。泥棒ヒゲの男が風呂敷包みを担いで塀を乗り越えるのを見られたらどれだけ自然に振る舞っていても泥棒を疑われることでしょう。
どういった方法であろうとスカート内の盗撮は犯罪行為ですので見つかれば終わりなのは同じですが、例えば鞄や靴にカメラを隠し入れるスタイルにおいてはカメラが見つかったら終わりだとすると、スマホを直接差し向けるスタイルにおいては視界に入ったら終わりです。
また、各都道府県の迷惑防止条例によってはスカート内にカメラを差し向ける行為自体に罰則がありますので、その場で捕まらなくとも通報等に端緒を得て捜査が始められていたら後日逮捕の可能性も出てきます。防犯カメラに盗撮中の姿が記録されていたらそれが十分な証拠になることでしょう。
エスカレーターに乗るにあたって片足を上の段に上げ、上を向けたスマホをその膝辺りで持つなどといった方法も古くから出ており、このような手垢の付いたやり方は認知されきってきて今さら誰もやらないでしょうが、スマホを手に持って盗撮するという以上はどれだけ工夫を凝らしたところでバレバレです。
盗撮していることが明らかにわかる姿というのは、それがぱっと見でわからない場合と比較すると大きな違いがあるものです。
まとめ
スマホを用いた盗撮が(盗撮する側にとって)なぜ危険と言えるのかといったことについて見てまいりましたが、先の記事で触れた内容と合わせるとスマホで盗撮することには(どうやろうと犯罪なので語弊がありますが)合理性はないと言えます。
常日頃持ち歩くものなので最初は軽い気持ちから盗撮に及んでしまうのかもしれませんが、これだけ危険なことに手を出して人生を棒に振る前に一刻も早く止めるべきことです。
これまで捕まっていないとしても、それは捕まっていないのではなく捕まえていないだけと心得ましょう。