先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。
今回のニュース見出し
更衣室で盗撮 千歳の男性教諭を再逮捕
勤務する学校で女子児童を盗撮した疑いで41歳の教諭の男が逮捕されました。
児童ポルノ禁止法違反の疑いで逮捕された千歳市の中学校教諭(41)は2017年10月、勤務する学校の女子更衣室に設置したビデオカメラで着替えている女子児童を盗撮した疑いがもたれています。容疑者は2017年12月、女子更衣室に侵入した疑いで逮捕されていて、警察が押収した証拠品に盗撮した女子児童の姿が映っていたということです。
警察の調べに対し容疑者は容疑を認めているということです。
引用元 : HBC北海道放送 2018年1月9日 12時19分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。
昨年11月に人気漫画家が児童ポルノを所持していたことで書類送検されてからやや騒がしくなっている印象がありますが、盗撮事件に絡む児童ポルノ事案も目にすることが多くなってきました。
これは被疑者が中学校の女子更衣室にビデオカメラを設置して盗撮したという事件ですが、先に女子更衣室に侵入した疑いで逮捕されているとのことなので、設置していたカメラが見つかったことによる建造物侵入での逮捕でしょうか。
その後の調べで押収されたカメラ、または記録媒体に女子生徒を盗撮した映像が記録されていたことにより、児童ポルノの製造の疑いで再逮捕されたというダブルパンチの内容になっているようです。
昨年12月の建造物侵入の時点で盗撮目的で設置したカメラは見つかっていたと思われますが、その時点では児童ポルノとして判断される映像は記録されておらず、建造物侵入だけに留まっていたのかもしれません。
なお、続報として以下の報道がされているところ、強調されている点がやや気になります。
千歳の中学校教諭の男が女子児童の裸を盗撮した疑いで再逮捕された事件で、押収された教諭のビデオカメラは一部のデータが消された状態だったことがわかりました。
千歳の中学校教諭の容疑者は去年10月、勤務先の学校の女子更衣室にビデオカメラを設置し着替えている女子児童の裸を撮影した疑いでけさ、送検されました。容疑者は先月、女子更衣室に忍び込んだ疑いで逮捕され、私物のビデオカメラが押収されていましたが、その後、警察がデータを復元したところ、女子児童の裸を撮影した動画が見つかったということです。
容疑者は「子どもの裸に興味があった」と容疑を認めているということで、警察は容疑者が証拠隠滅を図った可能性もあるとみて調べています。
引用元 : HBC北海道放送 2018年1月10日 12時18分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。
押収したビデオカメラについて一部のデータが消された状態だったとして取り上げています。
盗撮を行う人にとって、盗撮したデータを自宅のPC等に移してカメラ等からは削除するというのは特に珍しいことではなく普通にやっていておかしくないことです。
盗撮が発覚して事件化した後に削除されたのであれば証拠隠滅という話もわからなくはありませんが、先月建造物侵入で逮捕されて身柄が拘束されたままカメラ等の証拠品が押収されているので、被疑者がデータに手を出す余地は無かったと思われます。
これを証拠隠滅の意図があるとするのには疑問を感じますが警察の厳しい姿勢の表れなのかもしれません。
試着室盗撮の税務署職員 起訴内容認める
鹿児島市の商業施設の試着室に、小型カメラを設置し盗撮した罪などに問われている鹿児島税務署職員の男の初公判が9日、鹿児島地裁で開かれ、男は起訴内容を認めました。
鹿児島県不安防止条例違反などの罪に問われているのは、鹿児島税務署の職員で鹿児島市下伊敷の被告25歳です。起訴状などによりますと、被告は去年11月、鹿児島市の商業施設の試着室に、火災報知機に似せた小型カメラを設置し女性を盗撮したほか、スマートフォンに児童ポルノ動画を所持していたとされています。
初公判で、被告は起訴内容を認めました。
検察側は、「自宅のパソコンに少なくとも116件の盗撮した動画を保存するなど、犯行は常習的で悪質」として、懲役8か月を求刑しました。判決は今月24日に言い渡されます。
引用元 : MBC南日本放送 2018年1月9日 19時13分配信
※被告人の氏名部分を修正しております。
公判請求されて懲役8月の求刑というのは盗撮事件としては厳しい方なので一見したときは同種前科が何度かあるのかと思いましたが、どうやら盗撮だけではなかったようです。
盗撮に使用されていたのは火災報知器を装ったカモフラージュカメラとのことで、現場として挙げられている試着室というのは上部が開いているのを個人的には想像してしまいますが、天井があって個室になっている試着室だったり、あるいはカメラを天井ではなく壁に設置したりしていたのでしょうか。
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鹿児島県では迷惑防止条例ではなく不安防止条例という名称ですが「不安防止条例違反など」とされていることから他にも起訴された罪があることが窺え、公訴事実と見られる記述に「スマートフォンに児童ポルノ動画を所持していた」とあるので児童ポルノ禁止法違反でも起訴されているのではと思われます。
児童ポルノの単純所持についてはこれまで見聞きしたものではいずれも書類送検に留まっていて、それだけで逮捕・起訴された話は聞いたことがなかったのですが、他の罪と一緒に起訴するというケースがあるのかもしれません。
盗撮で公判請求されるような同種前科がある25歳の税務署職員というのもあまり自然ではなさそうですが、児童ポルノ禁止法違反など他の罪もあるとすれば初犯だとしてもこれくらいはあり得ると思います。
入浴中の女児盗撮疑い書類送検
岐阜県警多治見署は11日、住居侵入と児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)の疑いで、土岐市の男性会社員(56)を書類送検した。
送検容疑は、昨年10月8日午後10時15分ごろ、県内の民家の敷地内に侵入し、入浴中の小学生女児(12)をビデオカメラで盗撮した疑い。
署によると、女児の家族が男性を取り押さえ、「のぞきの犯人を捕まえた」と110番した。2人に面識はないというが、男性はこの女児の盗撮を数回行ったという。「撮られていないと思っている女性を撮ることに満足感があった」などと話しているという。
引用元 : 岐阜新聞 2018年1月12日 7時53分配信
小学生の女児が自分の入浴姿を盗撮されるとは思わずに風呂の窓を閉めていなかった、などといった理由で開いていたところから狙われたのでしょうか。
この女児の盗撮を数回行った、というのはおそらく窓が開いていたことなどで一度盗撮することができたためその後も狙い続けたと思われますが、被害者が小学生女児という点のインパクトが大きいので「撮られていないと思っている女性を撮ることに満足感があった」という動機が果たしてそれだけなのかという疑問があります。
なお、容疑は住居侵入と児童ポルノ禁止法違反となっていますが、事件そのものは昨年10月でこの記事では書類送検とされていますので、事件当日は逮捕されていたのかもしれませんが少なくともこの記事の時点では釈放されて在宅事件になっていることが窺えます。
盗撮被害を受けたのが小学生女児だったことで児童ポルノの製造となっていますが、これが被害者が児童でなければ住居侵入だけで済んでいた可能性があります。
岐阜県 迷惑防止条例 第3条
- 衣服その他の身に着ける物(以下「衣服等」という。)の上から、又は直接人の身体に触れること。
- 衣服等で覆われている人の下着又は身体(以下「下着等」という。)を見ること。
- 衣服等で覆われている人の下着等の映像を見、又は記録する目的で、写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下「写真機等」という。)を設置し、又は衣服等で覆われている人の下着等に向けること。
- 前3号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。
何人も、正当な理由がないのに、公共の場所又は公共の乗物において、衣服等を透かして見る方法により衣服等で覆われている人の下着等の映像を見、又は記録する目的で、衣服等を透かして見ることができる写真機等を設置し、又は人に向けてはならない。
何人も、正当な理由がないのに、公衆浴場、公衆便所、公衆が利用することができる更衣室その他の公衆が通常衣服等の全部又は一部を着けない状態でいる場所において、当該状態でいる人の姿態の映像を見、又は記録する目的で、写真機等を設置し、又は当該状態でいる人に向けてはならない。
このように、岐阜県の迷惑防止条例では盗撮に関する規制の及ぶ場所が、公共の場所や乗り物あるいは公衆が利用できる場所等に限られていますので、民家敷地内の浴場の盗撮は迷惑防止条例違反に該当しないと思われます。
複数回の住居侵入と風呂盗撮による児童ポルノ製造があっても身柄事件になっていないのは軽い驚きを感じますが、処分決定前に釈放に至る事情でも何かあったのでしょうか。