先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。
会社浴室にカメラ設置し20代女性"盗撮"…自ら映り込み発覚 元同僚の34歳男逮捕
会社の職員用の浴室に盗撮目的で侵入し、小型カメラを設置して女性の体を撮影したとして、34歳の男が逮捕されました。
建造物侵入と北海道迷惑行等防止条例違反の疑いで逮捕されたのは、北海道八雲町に住む会社員の34歳の男です。男は2019年3月16日から2020年3月15日までの間、渡島地域にある会社の職員用浴室に盗撮目的で侵入し、小型カメラを設置して、同地域に住む20代の女性の体を撮影した疑いがもたれています。
2021年3月、会社関係者から「社内で盗撮行為が行われているようだ」という趣旨の相談を受けた警察が捜査を進めていたところ、小型カメラの画面の一部に男の姿が確認され、関与が浮上。4月26日に逮捕しました。
警察によりますと、男と女性は当時同じ会社に勤める同僚でした。調べに男は「間違いありません」と容疑を認めていて、警察は他にも被害を受けた女性がいる可能性もあるとみて詳しく調べています。
引用元 : UHB北海道文化放送 2021年4月27日 11時10分配信
職員用浴室における盗撮目的での侵入と盗撮の事件です。会社の職員用浴室との事なので社宅のような場所なのでしょうか。警察への相談は今年3月とされていますが、逮捕されているのは一昨年から昨年にかけての侵入と盗撮行為のようです。
会社関係者から警察への相談で捜査が始まり、小型カメラに被疑者が映り込んでいた事が逮捕の決め手になったようなので、おそらく風呂に小型カメラが仕掛けられているのが見つかって発覚したのでしょう。少なくとも約2年は発覚せずに盗撮できていたのに、自身が映り込んでいるカメラを押さえられてしまったのが運の尽きでしょうか。
ただ、一昨年から昨年にかけての盗撮で逮捕されているのはよく分からないところです。風呂に仕掛けていたカメラに約2年も前からのデータを記録したままだったとは考えにくく、これ程前の盗撮となると自宅のPC等に保存していたデータから裏付けたのではと思われます。となると今回の逮捕までの間に家宅捜索等が入っていたのかもしれません。
北海道の迷惑防止条例でも風呂における盗撮行為や、盗撮目的でカメラ等を仕掛ける盗撮準備行為が処罰の対象になっています。この事件では盗撮行為にまで及んでいますが、仮に盗撮した事が裏付けられなかったとしても盗撮準備行為の方でアウトになっていたでしょう。
北海道 迷惑行為防止条例 第2条の2
公共の場所又は公共の乗物にいる者に対し、著しく羞恥させ、又は不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をすること。
- 衣服等の上から、又は直接身体に触れること。
- 衣服等で覆われている身体若しくは下着をのぞき見し、又は映像面に衣服等を透かして身体若しくは下着の映像を表示する機能を有する機器を使用して当該映像を見ること。
- ア及びイに掲げるもののほか、卑わいな言動をすること(次号に掲げる行為を除く。)。
公共の場所若しくは公共の乗物又は集会場等(集会場、事務所、教室、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用するような場所及び乗物をいい、公共の場所及び公共の乗物を除く。第4号において同じ。)にいる者に対し、著しく羞恥させ、又は不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をすること。
- 衣服等で覆われている身体又は下着を撮影すること(次号に規定する状態の他人に対して行う場合を除く。)。
- アに掲げる行為をするため、写真機、ビデオカメラその他の撮影する機能を有する機器(次号及び第4号において「写真機等」という。)を向けること。
住居、浴場、便所、更衣室その他の人が衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所(以下この号及び次号において「住居等」という。)における当該状態の他人の姿態を撮影し、又はこれを撮影するため写真機等を住居等における当該状態の他人に向けること。
公共の場所若しくは公共の乗物若しくは集会場等にいる者の衣服等で覆われている身体若しくは下着又は住居等における前号に規定する状態の他人の姿態を撮影するため、写真機等を設置すること。
この事件では現場が浴場ですので第3号に該当していると考えられます。迷惑防止条例違反の公訴時効は3年ですので一昨年の盗撮行為でも逃れられません。記事の最後で触れられているように他にも被害を受けた女性がいて余罪が出てくる可能性もあるでしょう。
今回の事件のみであれば建造物侵入も加わっているものの、初犯なら罰金30万円から50万円といったところではないでしょうか。一方、迷惑防止条例違反は被害者が盗撮された女性で、建造物侵入の被害者はおそらく会社になると思われます。いずれとも示談を成立させるのはなかなか難しそうですので不起訴となるのは厳しいかもしれません。
不審なハードディスクで発覚 勤務先病院で同僚のスカートの中を盗撮 理学療法士逮捕
佐賀市内の病院で同僚の女性のスカートの中を盗撮したとして、理学療法士の男が逮捕されました。逮捕のきっかけは、病院内のパソコンにつながれた見慣れないハードディスクでした。
逮捕されたのは、佐賀市の理学療法士(52)です。容疑者の男は、2019年12月30日午後1時すぎ、勤務先の病院の食堂で、スマートフォンを使って同僚の30代の女性のスカートの中を撮影したとして、県迷惑行為防止条例違反の疑いが持たれています。
警察によりますと2021年4月20日、病院の関係者が病院内に置かれたパソコンに、不審なハードディスクが接続されているのを見つけ、データを確認したところ、院内などで盗撮された動画や写真が見つかったということです。
ハードディスクは容疑者の男の私物で、警察の取り調べに対し、「盗撮したことは間違いありません」と容疑を認めています。また男のスマートフォンからは複数の動画などが見つかっていることから余罪や動機など調べを進めています。
引用元 : サガテレビ 2021年4月28日 17時37分配信
病院内でのスカート内盗撮事件です。理学療法士が同僚女性のスカート内をスマホで盗撮したとの事ですが、こちらの事件も逮捕容疑は一昨年12月の盗撮なので割と日が経っています。そしてこちらも盗撮しているところを押さえられたのではなくHDDに保存されていた盗撮データがきっかけで逮捕に至っています。
病院内のPCに不審なHDDが接続されていたので確認したところ盗撮データが保存されていたとされており、HDDの持ち主だった被疑者が疑われています。自分が盗撮した事まで認めているようなので間違いは無さそうですが、本人がその場にいれば引き揚げるなりできたのに中身を見られているという事は放置したまま離れていたのでしょう。
何故盗撮の証拠が記録された物を放置してその場を離れていたのか理解に苦しむところですが、何か事情があって離れたと思うしかないでしょうか。残念ながらそれが命取りとなって犯罪の証拠を掘られてしまう事になりました。
現場が病院となると公共の場所と言えなくも無いように思えますが、公共の場所でなくとも勤務先という事で佐賀県の迷惑防止条例が定める「事業所、学校その他の特定かつ多数の者が使用する場所」に該当すると考えられますので迷惑防止条例違反は成立するのではと思われます。
佐賀県 迷惑防止条例 第3条
- 衣服その他身に着ける物(以下「衣服等」という。)の上から又は直接人の身体に触れること。
- 衣服等で覆われている人の下着又は人の身体をのぞき見すること。
- 前2号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。
何人も、公共の場所等又は特定多数の者が使用する場所等(事業所、学校その他の特定かつ多数の者が使用する場所又は貸切バスその他の特定かつ多数の者が使用する乗物をいう。次項において同じ。)において、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
- 衣服等で覆われている人の下着又は人の身体を写真機、ビデオカメラ、携帯電話その他の機器(以下「写真機等」という。)を使用して撮影すること。
- 衣服等で覆われている人の下着又は人の身体を撮影する目的で写真機等を向け、又は設置すること。
何人も、正当な理由がないのに、浴場、便所、更衣室その他人が通常衣服等の全部又は一部を着けない状態でいる場所であって、次に掲げる要件のいずれかに該当するものにおいて、当該状態でいる人の姿態を写真機等を使用して撮影し、又は当該姿態を撮影する目的で写真機等を向け、若しくは設置してはならない。
- 公衆が利用することができること。
- 特定多数の者が使用する場所等にあること。
HDDごと押さえられており、さらに被疑者のスマホからも複数の盗撮データが見つかっているようですので余罪も含めて証拠は十分にあると思われ、どこまで立件されるかによって今後の見通しも変わってくるでしょう。
もし今回逮捕された分だけで済めば、被害者との示談交渉の行方によっては不起訴という可能性もありそうですが、それができなければ少なくとも30万円程度の罰金は覚悟しておいた方が良いのではないでしょうか。勿論、余罪として他の盗撮まで立件されれば不起訴の可能性はその分小さくなっていきます。
女子トイレで盗撮 犯人捕まらず、国会議事堂内は“防犯カメラ無し”
現場の最前線で取材を続けている記者が見つけてきた、今週の「こぼれ話」です。
ちょうど1週間前、こちら国会議事堂で、盗撮という前代未聞の出来事が起きました。現場となったのは、2階の女性用トイレ。今月23日の午後6時前、女性職員がトイレを使用していたところ、スマートフォンのようなもので盗撮されたといいます。
被害女性によりますと、異変に気付いて声を出したとたん、盗撮したとみられる人物はその場から逃走しました。1週間たった今も行方は分かっていません。現場のトイレは、本会議場のすぐそば。国会内のトイレは、総理や閣僚なども使用することがあります。
実は、国会議事堂、入り口や道路沿いには防犯カメラがあるものの、中に入ると、1台も防犯カメラが設置されていないんです。国会議事堂内での菅総理らの警備には細心の注意を払っているということですが、なぜ一切、カメラがないのか。取材をしてみたところ、これまで検討してきたことはあったという事ですが、話がまとまらず、今に至っているといいます。
現場のトイレを利用する自民党の女性議員からは「廊下にカメラがあった方が良い」との声も上がるなど、国会内での防犯の見直しが求められることになりそうです。
引用元 : TBS 2021年4月30日 17時40分配信
国会議事堂内のトイレにおける盗撮事案との事です。被害者が声を上げたところ犯人は逃走したようですが、中に防犯カメラが設置されておらずまだ捕まっていないようです。
警察署内など普通はそんな場所で盗撮なんてしないだろうと思えるような場所の最高峰とも言えるでしょうか。防犯カメラが無いとはいえ警備は厳しいでしょうからすぐに捕まりそうなものですが、犯人は分かってもおらず捕まっていないとの事です。ただ、部外者が侵入する事こそ困難ですので内部の人間の犯行なのではとも思えます。
態々「入り口や道路沿いには防犯カメラがある」と書かれており、部外者が侵入して盗撮し、そして逃走したのであればこれらの防犯カメラに捉えられていそうなものです。不審者の出入りが無かったとすれば元々中にいて、盗撮が発覚した後も外に出ていない人物しかいない訳ですのでやはり内部の人間が疑わしくなってくるでしょう。
女子トイレから大声が上がって何者かがトイレから出てきて逃走したというところまでは確実なのでしょうが、誰もそれを目撃していないという程に閑散としていたのかというのも疑問に感じるところで、逆にそれ程閑散としていたのであれば疑わしい人物を絞り込めそうにも思えます。
国会議事堂内でのトイレ盗撮でも迷惑防止条例違反として30万円から50万円程度の罰金になるのか、というのもやや気になる点です。できれば有耶無耶にせずキッチリ捕まえて最終的な処分まで発表してほしいと感じます。