盗撮などの性犯罪での逮捕やその前後に関する情報を配信してまいります。

盗撮で逮捕される日

ニュース考察

先週の盗撮事件ニュース(4月3日~4月9日)

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先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。

盗撮行脚で動画販売6千万円 28歳男を名誉毀損容疑で逮捕 「顔写った被害女性の名誉傷つける」

兵庫県警は3日、女性のスカート内の盗撮動画をインターネット上で販売し、女性の名誉を傷つけたとして、名誉毀損の疑いで大阪市西区本田、無職の容疑者(28)=大阪府迷惑防止条例違反の罪などで起訴=を再逮捕した。県警は、約2年間で約6千万円を売り上げていたとみて調べている。

県警によると、容疑者は平成27年1月に動画販売サイトを開設。全国を旅行しながら18都府県で、洋服店の女性従業員ら約170人を盗撮したとみられ、動画1本当たり約2500~4500円で販売していた。

長さ数十センチの棒の先端にカメラを取り付け、全体を布で覆い、スカート内に差し向け盗撮。動画には被害者の顔や店内の様子も写っており、県警は特定の女性の社会的評価を下げたと判断した。盗撮動画の販売サイトを名誉毀損容疑で摘発するのは珍しいという。

逮捕容疑は大阪市と神戸市の洋服店で20代の女性従業員のスカート内を盗撮した動画を昨年9月~今年2月、「モデルの同意を得ている」とうその説明を付け、サイトで販売するなどしたとしている。
引用元 : 産経新聞 2017年4月3日 18時6分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。

以前の記事でも取り上げている事件で逮捕されていた被疑者が名誉毀損で再逮捕されたという報道です。売上額の大きさもあって先の報道より大きく扱われていますが、名誉毀損という点においても一部に大きな衝撃を与えています。

まず、記事の見出しや本文に誤解を招きかねない部分があるので触れておくと、盗撮動画の販売にあたって被害女性の顔も写していたから名誉毀損、というわけではありません。被害女性の顔を写していた上で、本文の最後にもあるように「モデルの同意を得ている」という嘘の説明を付けていたことで名誉毀損となっています。

これは盗撮動画の販売に関する記事で取り上げている名誉毀損の事例と概ね同じ論理となっており、今回の事件の場合、「モデルの同意を得ている」ということが「被害女性はパンチラ動画の撮影や販売に同意する人物である」という印象を与えることにつながり、同意など身に覚えのない被害女性からしてみればそういった誤解によって名誉を毀損されたということになります。

上記の記事でも触れているようにわざわざこういった嘘の説明を付けるのは、販売サイト等で被写体の同意を得ていない動画などを販売することを規約上は禁止していることから、規約違反で販売を停止させられるなどの措置を回避するために建前として付けられるようになった経緯があります。

盗撮動画を購入して視聴する愛好家の間では「そういうもの」だという共通認識があってほぼ形骸化した説明と化していましたが、それが仇となった形になっています。今回の事件のようにスカート内の盗撮動画の販売でこの論理によって名誉毀損とされるのは初のケースではないでしょうか。

販売サイト上の一部販売者においてはこの事件の影響からか、同様の説明を削除したり変更したりしている動きも見られます。この点については時間ができたらもう少し深掘りしたいと考えていますが、被写体の同意を得ていないのにそれを得ていると明記したり、同様の誤解を与える恐れのある説明は避けるようになってくるでしょう。

愛好家が「そういうもの」だと思っているのと同じように販売者においても定型句のような表現があり、よく読むと同様の論理が適用される余地を残した表現も散見されます。例えば「(下着等を)撮らせてくれました」などといった説明はよく見られるもので、それがガチモノであれば撮影者が一方的にそう考えているだけの表現なのですが、こういった被写体が協力的な姿勢だという印象を与えかねない表現は避けた方が良いと感じます。

なお、この論理で名誉毀損となるのは盗撮そのものではなく販売したことに関わってきます。つまり、こうした嘘の説明も込みで転売や転載を行っている場合でも名誉毀損の罪に問われます。知らなかった、ヤラセだと思っていた、は通用しません。元の投稿が要件を満たしていればそれのコピペやリツイートでも名誉毀損は成立します。

この事件の被疑者においても嘘の説明で名誉を毀損することになるという認識は無かったと思われますが、嘘の説明を付けて販売(転売や転載を含む)したことで名誉を毀損したという結果が先にあって逮捕され、その後の取り調べでは未必的な認識も含めて攻められることになります。

現在もこの事件に関連すると見られる盗撮動画を転売または転載しているサイトが見受けられますが、こちらの記事でも触れているように決してノーリスクではなく、むしろ今回の事件でリスクが顕在化したとも言えるでしょう。

盗撮疑いで、施設の元支配人逮捕 従業員用女子トイレ侵入、容疑否認

福井南署は4日、トイレで女性を盗撮したとして、建造物侵入と福井県迷惑行為防止条例違反(ひわいな言動)の疑いで福井市、会社員(47)を逮捕した。同署によると否認している。

逮捕容疑は3月1日午前6時半ごろ、福井市天菅生町の宿泊施設「すかっとランド九頭竜」の女子トイレに盗撮目的で侵入、撮影機器を設置し同10時半ごろ、女性を盗撮した疑い。

福井市の指定管理者として同施設を運営する業者によると、トイレは従業員用で、利用客が使うことはない。容疑者は同施設の支配人だった。

同施設を所管する市地域包括ケア推進課は「(容疑が事実ならば)市民の信頼を失う、あってはならない行為。市への報告も遅れた」とし、近く業務改善命令を出す。
引用元 : 福井新聞 2017年4月5日 17時30分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。

否認しているとのことなので何とも言えませんが、迷惑防止条例違反と建造物侵入のダブルパンチとなっており、また、経営者や店長といった立場の人が盗撮した事件と同じように施設の支配人が被疑者となっています。こうした立場を利用して盗撮などを行う人もやはり一定数はいるようでしょうか。

「撮影機器を設置し」とわざわざ書かれていたので、福井県もカメラの設置だけでアウトになるのだろうかと思って確認したところ、そうではなく盗撮行為の実行まであって初めて迷惑防止条例違反となる規定のようです。

福井県 迷惑行為等の防止に関する条例 第3条

何人も、公共の場所または公共の乗物において、人を著しくしゆう恥させ、または人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 衣服その他の身に着ける物(以下「衣服等」という。)の上からまたは直接人の身体に触れること。
  2. 人の下着または身体(これらのうち衣服等で覆われている部分に限る。以下同じ。)を見ること。
  3. 写真機、ビデオカメラ、デジタルカメラ付き携帯電話その他これらに類する機器(以下「写真機等」という。)を使用して、人の下着または身体の映像を記録すること。
  4. 前三号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。
第2項
何人も、正当な理由がないのに、衣服等を透かして見ることができる写真機等を使用して、公共の場所にいる、または公共の乗物に乗つている人の下着または身体を見、またはその映像を記録してはならない。
第3項
何人も、正当な理由がないのに、写真機等を使用して、公衆浴場、公衆便所、公衆が利用することができる更衣室その他公衆が通常衣服等の全部または一部を着けない状態でいる場所に当該状態でいる人の姿態を見、またはその映像を記録してはならない。

女子高生がトイレの盗撮を“告発”、防犯カメラに写っていた人物は…

福岡県警中央署は6日、女子トイレに侵入し、デート相手を撮影しようとしたとして、県迷惑行為防止条例違反などの疑いで福岡市内の高校3年の男子生徒(17)を逮捕した。

逮捕容疑は3月13日午後8時ごろ、福岡市の映画館で女子トイレに入り、個室の天井部からスマートフォンを差し入れ、中にいた当時高校3年の女子生徒(18)を盗撮しようとした疑い。

中央署によると、2人は同じ高校に通い、一緒に映画を見に来ていた。女子生徒がスマホに気付き、映画館職員に相談し、防犯カメラの映像などから発覚した。
引用元 : 産経新聞 2017年4月6日 15時57分配信

同じ高校の同級生で、付き合っていたのかどうかはハッキリしませんが一緒に映画デートするほどの仲であれば普通にしていればセックスくらいできていたのではないかと思ってしまいます。セックスよりもトイレで用を足す姿を見たい欲求の方が勝ってしまったということでしょうか…。

盗撮被害を申し出たところ防犯カメラにデート相手が映っていたと知った被害者の女子生徒もショックだったでしょう。被疑者の男性生徒が逮捕されていることから被害届なども出したものと見られますので、その怒りの大きさが感じられ、別のニュースでは以下のように報道されています。

女子高校生は、逮捕された男子高校生と一緒に映画を見た後、防犯カメラを確認した施設管理者から男子高校生が女子トイレに入っていくのが映っていたと聞き、警察に通報したということです。
引用元 : テレビ朝日 2017年4月6日 18時45分配信

「デート相手を撮影しようとした」ということなので、トイレ個室の天井部からスマホを向けたもののハッキリとは撮れなかったということでしょうか。場合によっては児童ポルノの製造ということで罪が重くなる可能性もあったので迷惑防止条例違反で済んだのは不幸中の幸いかもしれません。

今後の取り調べ状況によっては家庭裁判所へ送致しない軽い処分などで済むかもしれませんが、まだ若いので今回の事件をきっかけに性犯罪の深みにハマったということがないようにされたいと思います。

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