盗撮などの性犯罪での逮捕やその前後に関する情報を配信してまいります。

盗撮で逮捕される日

ニュース考察

先週の盗撮事件ニュース(5月20日~5月26日)

更新日:

先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。

盗撮容疑の消防職員 停職処分 福島

先月10日、郡山市の消防の30歳の職員が、職場の女子トイレに小型カメラを設置したとして建造物侵入などの疑いで逮捕されたことを受けて、消防は、この職員を20日付けで停職12か月の懲戒処分としました。

懲戒処分を受けたのは、郡山地方広域消防組合消防本部総務課の副主査(30)です。

副主査は先月10日の朝、勤務先の消防の女子トイレに盗撮をしようと忍び込み、1辺が2センチほどの立方体の小型カメラを設置したとして、建造物侵入などの疑いで今月7日に逮捕されたあと、処分保留で釈放され、現在は任意での捜査が続いています。

消防は、地方公務員法の規定に反し、公務員の信用を失墜させたなどとして、副主査を20日付けで停職12か月の懲戒処分としました。副主査は、20日付けで依願退職したということです。

郡山地方広域消防組合消防本部の吉田徳久消防長は、「職員が逮捕されたことは誠に遺憾で、深くおわび申し上げます。今後、二度とこのような行為が起きないよう、これまで以上に服務規律の指導徹底を図り、再発防止に向けて取り組んで参ります」とコメントしています。
引用元 : NHK 2019年5月20日 20時31分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。

前々回の記事で取り上げていた消防本部職員によるトイレ盗撮事件の続報のようです。なお、これまでの報道では女子トイレに仕掛けたカメラで実際に盗撮するに至っているかどうかは定かではなく、盗撮目的でトイレにカメラを設置した疑いに留まっています。

まだ捜査が続いているとのことですが、勤務先の消防では刑事処分を待たずに懲戒処分を下したようで停職12か月として処分を行い、その後被疑者は依願退職したようです。同じ公務員でも教員の場合は初回から懲戒免職処分となることが珍しくない中、教員以外では停職までに留まるケースが多いところこの事件でも依願退職はしたものの停職で済んでいます。

また、当初建造物侵入と迷惑防止条例違反で逮捕されていましたが、今回の記事によると既に釈放されていて在宅事件としての捜査になっているようです。

一概に在宅事件だから刑事処分も軽いとは言えませんが、小難しい事件ではないので一定の目安にはなり得ます。盗撮目的でのカメラ設置に留まらず実際に盗撮に至っていたという情報もこの記事までに出てきていないようですし、盗撮被害者のいないカメラ設置とそのための建造物侵入程度ならば先の記事でも述べているようにそれほど厳しい刑事処分にはならないかもしれません。

先んじて懲戒処分を受けて依願退職もしているという点が酌まれる可能性もありますので、やはり良くすれば不起訴、悪くても罰金10万円程度といったところではないでしょうか。

盗撮目的でトイレにカメラ 介護施設職員の男逮捕 鳴門署

盗撮目的でトイレにカメラを仕掛けたとして、鳴門署は23日、県迷惑行為防止条例違反の疑いで、板野町西中富、団体職員の男(32)を逮捕した。

逮捕容疑は20日夜、勤め先の鳴門市の介護保険施設で、女性の姿を盗撮しようとトイレ内の汚物入れにカメラを設置したとしている。署によると、汚物入れのふたが浮いていたため、女性職員が気付いた。

団体職員は2年前にインターネットで盗撮映像を見て興味を持ち、カメラを購入したという。
引用元 : 徳島新聞 2019年5月23日 20時12分配信

介護施設に勤務する職員によるトイレ盗撮事件です。なお、こちらも逮捕容疑としては盗撮目的でトイレにカメラを仕掛けた疑いというまでに留まっており、実際に盗撮まで至ったのかどうかという以前の問題で逮捕されています。

このところ盗撮目的でトイレにカメラを仕掛けて捕まるという事件が目立ってきています。従来の古い条例ではカメラを仕掛けただけで盗撮被害者が出る前にカメラが見つかるなどして発覚するケースを処罰できない場合がありましたが、条例改正が進んできたことによってそうしたケースを網に掛けることができるようになったことが影響しているのではないでしょうか。

見方を変えると、実際に盗撮に至っていなくてもカメラを仕掛けただけで処罰できる環境がここ最近整ってきたことで事件報道が目立ってきているだけで、こうしたトイレ盗撮の未遂事件は以前から多く起きていたのではないかとも言えます。

もちろん徳島県においても、昨年4月から施行されている改正条例によって盗撮目的でカメラを向けたり設置したりする行為が規制されて処罰の対象となっています。

徳島県 迷惑行為防止条例 第4条

何人も、公共の場所にいる人又は公共の乗物に乗つている人に対し、その性的羞恥心を著しく害し、又はその人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 衣服等の上から、又は直接身体に触れること。
  2. 通常衣服等で覆われている下着又は身体(以下「下着等」という。)をのぞき見し、又は撮影すること。ただし、第三項に該当するものを除く。
  3. 衣服等を透かして下着等の映像を表示する機能を有する機器の当該機能を使用して、下着等の映像を見、又は下着等を撮影すること。
  4. 前三号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。
第2項
何人も、集会場、事務所、教室、貸切バス、タクシーその他の不特定又は多数の人が利用するような場所(公共の場所を除く。)にいる人又は乗物(公共の乗物を除く。)に乗つている人に対し、その性的羞恥心を著しく害し、又はその人に不安を覚えさせるような方法で、前項第二号に規定する行為をしてはならない。
第3項
何人も、住居、浴場、便所、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所における当該状態にある人に対し、正当な理由がないのに、第一項第二号本文に規定する行為をしてはならない。
第4項
何人も、正当な理由がないのに、第一項及び第二項に規定する場所にいる人若しくは乗物に乗つている人又は前項に規定する場所における同項に規定する状態にある人の下着等を撮影(第一項第二号本文に規定する行為に限る。)する目的で、写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器を向け、又は設置してはならない。

この事件では現場が介護施設のトイレとのことなので場所については第2項または第3項、行為については第4項に該当していると考えられます。

今後の捜査で建造物侵入等が追加される可能性や、カメラ設置に留まらず現に盗撮していた証拠が見つかる可能性がありますが、結局カメラを設置しただけで盗撮できてはいなかったということになれば処分にもそれなりの違いが出てくるものと思われます。

本記事1件目の事件と同様に、この事件の内容だけなら不起訴の可能性もあり、厳しくても10万円からの罰金といった程度ではないかと思われます。

運動会に乗じ…小学校運動場の女子トイレに盗撮目的で侵入か 29歳男逮捕 現場からカメラ2台

名古屋市天白区で、運動会が行われている小学校の女性用トイレに盗撮目的で侵入したとして、29歳の男が現行犯逮捕されました。

25日午前9時45分ごろ、名古屋市天白区の天白小学校で運動場にある女性用トイレに男が入るのを保護者がみつけ、学校が警察に通報しました。警察がかけつけ、名古屋市緑区の自称・会社員(29)を建造物侵入の疑いで現行犯逮捕しました。

天白小学校では当時運動会が行われていて、現場のトイレからは容疑者が設置したとみられるカメラ2台が押収されました。

警察の調べに対し、容疑者は「トイレ内の女子児童を盗撮するためのカメラを設置するために入りました」と容疑を認めているということです。
引用元 : 東海テレビ 2019年5月25日 19時13分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。

盗撮目的で小学校のトイレに侵入した建造物侵入事件です。運動会シーズンならではの事件と言えるでしょうか。

小学校のトイレと言っても運動会が行われていた運動場にある女子トイレとのことなので、必ずしも小学生の女児を狙ったものとは言い切れません。運動会当日であれば保護者や関係者が使用することも多いので女子児童よりはむしろそちらの盗撮を狙ったものなのかもしれません。

また、逮捕容疑としては盗撮目的でトイレに立ち入ったという建造物侵入の疑いだけに留まっており、今のところ迷惑防止条例違反は含まれていないようです。愛知県の迷惑防止条例では盗撮目的でカメラを設置する行為が処罰の対象となっていますのでこの事件でも該当するように思われますが、今後追加されるのか、条例が適用できない事情が何かあるのか気になるところです。

愛知県 迷惑行為防止条例 第2条の2

何人も、公共の場所又は公共の乗物(第三項に定めるものを除く。)において、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 人の身体に、直接又は衣服その他の身に付ける物(以下「衣服等」という。)の上から触れること。
  2. 衣服等で覆われている人の身体又は下着をのぞき見し、又は撮影すること。
  3. 前号に掲げる行為をする目的で、写真機、ビデオカメラその他の機器(以下「写真機等」という。)を設置し、又は衣服等で覆われている人の身体若しくは下着に向けること。
  4. 前三号に掲げるもののほか、人に対し、卑わいな言動をすること。
第2項
何人も、学校、事務所、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用することができる場所又は乗物(公共の場所又は公共の乗物に該当するもの及び次項に定めるものを除く。)において、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 衣服等で覆われている人の身体又は下着をのぞき見し、又は撮影すること。
  2. 前号に掲げる行為をする目的で、写真機等を設置し、又は衣服等で覆われている人の身体若しくは下着に向けること。
第3項
何人も、住居、浴場、便所、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所において、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 人の姿態をのぞき見し、又は撮影すること。
  2. 前号に掲げる行為をする目的で、写真機等を設置し、又は人の姿態に向けること。

第1項から第3項までいずれにも盗撮する目的でカメラ等を設置する行為を禁止する規定があります。この事件では現場が女子トイレなのでまずは第3項が検討されるところ、学校内ということでもあるので第2項でも良さそうですし、運動会当日という状況に限れば公共の場所と言えなくも無いので第1項の適用も考えられます。

いずれにしても迷惑防止条例違反を免れることは無さそうに思われますので、どの項の適用により検挙するのか検討した上で今後追加されるのかもしれません。

ただし、事件の経緯を見た感じでは、トイレへ侵入した時点で既に保護者に見つかって通報されており、盗撮用カメラの設置から間もなく発覚し逮捕されていると見られます。盗撮された被害者がいないと思われますので、カメラ設置に関して迷惑防止条例違反が追加されたとしてもそれなりの罰に留まるかもしれません。

しかし本記事1件目の事件とは微妙に違っていて、勤務先での事件なだけに場合によっては擁護してくれるかもしれない上司や同僚もこの事件では無く、懲戒処分の重みも公務員のそれとは異なりますのでこのままで不起訴というのは難しく、10万円からの罰金は覚悟しておいた方が良いのではないでしょうか。

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