先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。
仙台駅東口のエスカレーター プロ野球 阪神タイガースの元選手の男が「盗撮容疑」で逮捕
12日夕方、仙台駅東口の家電量販店に通じるエスカレーターで女性のスカートの中を盗撮した疑いで、プロ野球・阪神タイガースの元選手の男が逮捕されました。
逮捕されたのは、プロ野球・阪神の元選手で、現在は阪神の契約社員でスコアラーを務める容疑者(55)です。
警察によりますと、容疑者は12日午後4時15分ごろ、仙台駅東口の家電量販店に通じるエスカレーターで、前にいた女性のスカートの中をスマートフォンで撮影した疑いがもたれています。容疑者は逃走しましたが、盗撮に気が付いた女性がその場で被害を訴え、近くにいた男性に取り押さえられました。
警察の調べに対し容疑者は「女性の後ろ姿がきれいだったので、撮ろうと思っただけ」と、容疑を否認しているということです。
阪神タイガースは「弊社契約社員が逮捕されたことは誠に遺憾であり、被害者の方に心からお詫び申し上げます」とコメントを出しました。容疑者は仕事で仙台に来ていたということで、警察が詳しい経緯を調べています。
引用元 : 仙台放送 2018年6月13日 11時59分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。
盗撮関連ではおそらく先週一番大きく報じられていたと見られるニュースです。阪神タイガースの元選手で現在はスコアラーというある種の著名人ですので広く報道されても仕方のない立場と言えます。
しかし事件そのものの内容はスマホ+エスカレーターという稚拙な手口、被害者自身に気付かれ逃げようとしたところを近くにいた男性に取り押さえられたという平々凡々なものなので、被疑者が一般人だったとしたら報道もされていない事件だったかもしれません。
なお、女性の後ろ姿を撮ろうとしただけということでスカート内を違法に盗撮しようとした意図は否定していたようですが、一方で被害者の女性はスマート内にスマホを入れられたのを確認しているようなので主張としては対立しています。
容疑者は「後ろ姿を撮ろうとしたところ風でスカートがめくれ上がった」と否認を続けていますが、女性はスカートの下からスマートフォンを入れていた容疑者を確認していて、警察が引き続き追及しています。
引用元 : TBC東北放送 2018年6月14日 16時7分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。
判断材料が無いと一般論として女性の言い分が認められそうなところですが、スマホに記録されている画像を確認すればある程度見えてくることでしょう。
後ろ姿を撮ろうとしたというのであれば風でスカートがめくれて下着が映っていたとしても目線の位置や胸の位置などある程度高いところで撮った画像になるでしょうし、スカート内が映り込むような明らかに下の位置から撮った画像であれば後ろ姿を撮ろうとしただけという言い訳は説得力を失います。
また、この事件については既に処分が下されており、逮捕の翌々日に略式起訴、罰金50万円の略式命令ということで、今後追加の捜査で余罪が発覚して再び事件化という可能性も無いでは無いですが刑事事件としては決着しています。
プロ野球・阪神は女性のスカートの中を盗撮したとして、宮城県の迷惑行為防止条例違反の罪で略式起訴され、裁判所から罰金50万円の略式命令を受けたスコアラーの元選手について15日付けで契約を解除しました。
阪神でスコアラーを務めていた元選手は、今月12日、仙台市のエスカレーターで25歳の女性のスカートの中をスマートフォンで盗撮したとして14日、宮城県の迷惑行為防止条例違反の罪で略式起訴され、仙台簡易裁判所から罰金50万円の略式命令を受けました。
引用元 : NHK 2018年6月15日 20時52分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。
後ろ姿を撮ろうとしただけという主張で被疑者が違法な盗撮の目的を認めないまま略式起訴に落ち着くことは無いでしょうから、略式起訴に応じているからには言い訳のような主張は最終的に取り下げて盗撮の意図を認めたのかもしれません。
それでもこれだけのスピード処分はなかなか見ませんので、おそらくは事件とその話題を少しでも早く終息させたい球団の意向を酌んだお抱え弁護士などが被疑者や検察官と交渉した結果なのではないでしょうか。
後ろ姿を撮ろうとしただけと争う余地があったのかどうか定かではありませんが、被疑者が否認し続けて事件と報道が長引くと球団としてはイメージが悪くなるばかりで良いことはほぼありません。
盗撮を認めさせていち早く事件を終結させた上で首を切れば、身内の違法行為にも厳しい態度で臨み、かつ迅速に対応するとして示しをつけられますので、そうした意向があったのであればそれはそれで理解できます。
一方、被疑者は球団との契約も解除され、ほぼ全てと言っても良いほどに大きなものを失うことになりました。最近は性的な不祥事では特に厳しく対応する傾向がありますので、これを有名税などとして対岸の火事だとは思わないようにした方が良いでしょう。
公衆トイレで盗撮容疑、37歳会社員逮捕 壁くり抜きカメラ…数百人分の動画押収
公園の女子トイレに設置した小型カメラで女子中学生を盗撮したとして、埼玉県警少年捜査課は13日、児童買春・ポルノ禁止法違反の疑いで、同県羽生市下岩瀬の会社員(37)を逮捕した。「中学生や高校生を狙って7年ほど前から続けていた」と供述している。
逮捕容疑は5月6日、同県本庄市内にある公園の女子トイレで、18歳未満と知りながら県内に住む女子中学生を小型カメラで撮影し、児童ポルノを製造したとしている。
昨年5月、羽生市の公園の女子トイレで利用者が小型カメラを発見し、販売経路などから容疑者が浮上した。小型カメラはくり抜いたトイレの壁に組み込むなど細工をしていた。県警は容疑者宅から小型カメラ11台に加え、SDカード121枚、わいせつなDVD423枚などを押収した。被害者は延べ数百人に上るとみて関連を調べている。
引用元 : 産経新聞 2018年6月13日 18時3分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。
阪神タイガース元選手の事件が大きく扱われてその陰になりましたが、こちらの事件は悪質性や常習性、被害の規模などが大きく、前者の事件に劣らないインパクトがあります。
小型カメラを巧妙に仕込んだトイレ盗撮の事件で逮捕容疑としては5月6日の1件とされているものの、押収したカメラやデータ等の調べにより今後余罪も立件されていくものと思われます。
事件の端緒としては昨年5月に公園の女子トイレからカメラが発見されたことのようで、カメラの販売経路等から被疑者の絞り込みはできていたと思われますが、逮捕までに約1年間もかかっているということは今回までに決定的な証拠を押さえることができていなかったのかもしれません。
昨年5月に発見された小型カメラは回収できていないはずなのでその時点で事件化している可能性を踏まえた行動を取っていれば違った結果になっていたかもしれませんが、押収された大量のカメラやSDカード、そして今年5月のトイレ盗撮という状況を見る限りでは仕掛けたカメラが発見されて回収できなかったことを楽観視したまま泳がされていたのではと感じてしまいます。
自宅からは腕時計型のカモフラージュカメラなど、トイレ以外の盗撮で使われるカメラも押収されているようなのでトイレに限らない盗撮全般への強い執着も窺われます。
延べ数百人に上るという盗撮の証拠からどれだけの裏付けができるかにもよりますが、軽くても100万円に近いような高額の罰金、しかしおそらくは公判請求を避けられないのではないかと感じます。
また、これだけ常習的で件数も多いとなるとトイレ盗撮によって製造した児童ポルノを販売していた可能性も追及されるでしょう。
販売に関してはそうした疑いがあれば最初の報道で触れられることが多いのでそれが無いということは販売には手を出していなかったのかもしれませんが、もし販売まであるとしたら極めて厳しい判決が見込まれます。
「盗撮に達成感」中学女子トイレにカメラ設置の教諭を処分
勤務する中学校の女子トイレ内で盗撮したとして児童買春・ポルノ禁止法違反などの疑いで逮捕され、罰金80万円の略式命令を受けた神戸市立中学校の男性教諭(31)について、同市教育委員会は15日、懲戒免職とする処分を発表した。
市教委によると、男性教諭は2017年11月~18年4月、女子トイレの個室内に複数回カメラを取り付けて生徒を撮影したほか、5月には保健室内にも2台を設置したという。翌日に内科検診が予定されており、開始前に他の職員が見つけた。保健室への設置で兵庫県迷惑防止条例違反の疑いで逮捕された後、女子トイレの盗撮が発覚した。
男性職員は市教委の聞き取りに対し、「カメラを回収する緊張と成功したときの達成感にはまった。わいせつ目的ではなく、ストレス発散のためだった」と説明したという。
引用元 : 神戸新聞 2018年6月15日 18時42分配信
先月から追記も含めて3回取り上げている教員による盗撮と児童ポルノ製造事件について、既に刑事処分が決定して80万円の罰金を科せられているところ行政処分としても懲戒免職となったようです。
自身が勤務する学校内で教え子の女子中学生が用を足す姿を盗撮したというのは校外でスカート内盗撮したというのと訳が違いますし、常習性が窺えることからも多少の処分の後に教員として復帰させることは考えられないと思えますので懲戒免職もやむなしでしょう。
わいせつ目的ではなくストレス発散のため、という言い訳を額面通り受け取る人はいないと思いますが、これは警察等での取り調べの場で出てきた動機の供述ではなく市教委からの聴き取りということなので市教委と合意した落としどころなのかもしれません。
市教委としては元教員が学校内で教え子を盗撮した動機がわいせつ目的ではなかったことにできれば採用に関わった身として最悪の責任は回避できますし、元教員としても教え子がトイレで用を足す姿を見て性欲を解消していたとは恥ずかしくて言えないところを取り繕うことができます。
これは建前の話であって、事件を知ってストレス発散のためだったなどと信じる人はいないので誰が聞いてもわいせつ目的だったと考えるでしょう。一方で「カメラを回収する緊張と成功したときの達成感にはまった」という部分は他の盗撮常習者からも似た動機が聞こえてきますのでおそらくこれは事実なのではと思います。
トイレや保健室にカメラを仕掛けて女子生徒が用を足す姿や内科検診の様子を盗撮しようという、ある意味でスカート内盗撮などよりも深みにハマっていると言える状態で職と共に「狩場」を失いましたので、元教員が今後「狩場」を移して再犯に及んでしまうのか、またはこれに懲りて止めるのか気にかかるところです。