先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。
女子高生のスカート内盗撮 白バイ隊員を逮捕
仙台市内で女子高校生のスカート内を盗撮しようとしたとして、宮城県警は15日、県迷惑防止条例違反の疑いで、県警交通機動隊巡査長(34)=仙台市青葉区落合2丁目=を逮捕した。
逮捕容疑は1月26日午前8時20分ごろ、青葉区のコンビニエンスストアで、高校3年の女子生徒(18)=青葉区=に近づき、制服のスカートの下にスマートフォンを差し出して下着を撮影しようとした疑い。
県警によると、別の女子生徒が盗撮に気付き、学校を通して仙台北署に相談した。店内の防犯カメラの映像に不審な動きをする容疑者が映っていた。「間違いありません」と容疑を認めているという。
容疑者は2005年、県警に採用され、12年に白バイで交通取り締まりに当たる交通機動隊に配属された。当日は休暇だった。
引用元 : 河北新報 2017年2月16日 10時24分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。
ここしばらくは警察官の盗撮事件が目立っていて、ピックアップするニュースを選んでいるときも1件は必ず含まれている週が続いています。他に報道すべき重大な犯罪などが起きていないということかもしれませんが、盗撮をしていて今も捕まらずに続けている公務員はまだいるでしょうから今後もこうしたニュースは目にすることでしょう。
この事件の現場となった宮城県については過去の記事でも触れていますが、宮城県の条例では盗撮目的でカメラを差し向けたり設置したりするだけで処罰される厳しい方の規定ですので、この事件でも逮捕容疑が「下着を撮影しようとした疑い」となっています。
宮城県 迷惑行為防止条例 第3条の2
- 衣服その他の身に着ける物(以下「衣服等」という。)の上から又は直接人の身体に触れること。
- 人の下着又は身体(これらのうち衣服等で覆われている部分に限る。以下「下着等」という。)をのぞき見すること。
- 人の下着等を撮影し、又は撮影する目的で写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下「写真機等」という。)を向け、若しくは設置すること。
- 前三号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。
「実際に撮影したかどうかは関係ない」というパターンのもので、記事でも「店内の防犯カメラの映像に不審な動きをする容疑者が映っていた」とされているので女子高生のスカートの下にスマホを差し入れる姿が捉えられていたものと見られます。
この条例の規定では防犯カメラの記録が十分な決め手となり得ますので、この事件のように現行犯ではなく後日逮捕されることはままあるでしょう。
傘にカメラ、盗撮容疑で会社員逮捕 千人被害か 福岡
女子高校生のスカート内を盗撮したとして、福岡県警は16日、北九州市八幡西区折尾4丁目の会社員(38)を県迷惑行為防止条例違反(盗撮)の疑いで逮捕し、発表した。容疑を認めているという。
県警は、小型カメラが取り付けられた折りたたみ傘や、スカート内などを盗撮したとみられる945点の動画が保存されたハードディスクを押収。千人近くが盗撮被害にあったとみて調べている。
東署によると、逮捕容疑は昨年9月11日昼過ぎ、JR西小倉駅(北九州市小倉北区)構内の階段を下りていた10代の女子高生2人のスカートの中を、傘に仕込んだ小型ビデオカメラで盗撮したというもの。
県警は、今年1月14日にJR福工大前駅(福岡市東区)で女性のスカートの中を撮影しようとした疑いで、任意で捜査。盗撮とみられる動画が容疑者の自宅で大量に見つかり、映像から被害者を特定できた事件で逮捕したという。
カメラ付きの折りたたみ傘のほか、ポケットが縫い付けられたバッグも見つかっており、これらで盗撮していたと署はみている。
引用元 : 朝日新聞 2017年2月16日 19時56分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。
この事件ではきっかけとなった盗撮事案で逮捕されておらず在宅捜査となっています。その捜査の過程で行った家宅捜索によってカメラを仕込んでいた折り畳み傘や鞄とともに大量の盗撮動画が記録されたHDDが押収され、その動画から被害者を特定して事件化し、逮捕したというもののようです。
逮捕されている事件の被害者が女子高生2人ということなので、制服などから学校を特定して問い合わせ、その後被害者を割り出したのでしょうか。押収したHDDに記録されていた盗撮動画が多かったことから常習性があり悪質と判断したのか、わざわざ被害者を特定してまで逮捕した警察の執念が垣間見られます。
スマホなどでの盗撮ではなく折り畳み傘や鞄に小型カメラを仕込んでの盗撮といった手口なのでそういった点も悪質と見られているかもしれませんが、スマホだったとしてもこれだけの数の盗撮動画が出てくると今回のように大きく発表されていたと思われます。
ただ、日常的に盗撮を繰り返すレベルの常習者であれば延べ1000件というのは1,2年程度で達してもおかしくないので、それくらいの常習者として見たら個人的にはそれほど多い件数とは考えていません。捕まらずに盗撮を続けて延べ件数として千や万の単位に至っている人もいるでしょう。
とはいえ、警察としてはこれだけの件数になるとネット上などでの盗撮動画の販売も疑ったのか、別のニュースでは以下のように報じられています。
県警によると「週末のたびに駅などで盗撮をしていた」などと供述しているという。県警はいずれも自分で観賞する目的で撮影したとみている。
引用元 : 産経新聞 2017年2月16日 13時8分配信
「自分で観賞する目的で撮影したとみている」とわざわざ発表しているところを見ると、ネットの利用履歴なども調べて販売の事実が無いことは確認したのではなかろうかと思われます。
名古屋市の消防士 盗撮で懲戒免職処分
名古屋市は17日、女子高校生のスカートの中を盗撮したとして、25歳の男性消防士を懲戒免職処分にしました。
懲戒免職となったのは、名東消防署に勤務する25歳の男性消防士です。
名古屋市消防局によりますと、この男性消防士は去年10月、名古屋市営地下鉄の本山駅で、スマートフォンを使って女子高校生のスカートの中を盗撮したとして書類送検されました。
この男性消防士は、おととし9月、女子高校生のスカートの中を盗撮したとして停職6か月の懲戒処分を受けていて、市の聞き取り調査に対し、男性消防士は、「復職後、仕事を辞めるか悩んでいて、盗撮をすれば気が紛れると思った」などと話したということです。
引用元 : CBCテレビ 2017年2月17日 18時39分配信
途中まで一発で懲戒免職処分を受けたように記事を読んでしまいましたが、よく見たら盗撮で停職処分となった後に再び盗撮に及んだということなので、これでは免職されても仕方ないと感じてしまいます。
市の調査に対する言い訳が「仕事を辞めるか悩んでいて、盗撮をすれば気が紛れると思った」というのはちょっと残念な思いがしました。盗撮事件で一度処分されておきながら再び盗撮を行うのは明らかにハマってしまっていますが、原因を仕事上の悩みなどに転嫁する常套句は情けなく見えてしまいます。
仮に裁判の場だとすると、こういった事件の動機や原因として仕事の悩みやストレスなどのありがちな常套句を挙げてもすべて不合理と片付けられます。誰が見ても性欲が引き金になっているわけで、こうした言い訳はマイナスに捉えるようにしていかないと本人も原因と向き合わなくなると考えています。