盗撮などの性犯罪での逮捕やその前後に関する情報を配信してまいります。

盗撮で逮捕される日

ニュース考察

先週の盗撮事件ニュース(3月11日~3月17日)

更新日:

先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。

高校の寮の女子更衣室を盗撮した講師の男 執行猶予付きの有罪判決

和歌山市内の高校の寮で、脱衣室にカメラをしかけて、女子生徒を盗撮した罪などに問われた講師の男に有罪判決です。

判決によりますと、和歌山市内の高校の非常勤講師(25)は、去年4月から7ヵ月間にわたって、高校の寮の浴室にある女子脱衣室に録画状態にした小型カメラを設置。女子生徒を盗撮し、動画データをパソコンを使って保存するなどしていました。

12日の判決で、和歌山地裁は「寮生を指導・監督する立場を利用した卑劣な犯行で、懲役刑をもって臨むべきだが、一部示談も成立している」として、被告に懲役2年・執行猶予4年の有罪判決を言い渡しました。
引用元 : ABCテレビ 2019年3月12日 18時35分配信
※被告人の氏名部分を修正しております。

昨年取り上げていた高校の教員による女子寮盗撮事件の続報で、逮捕以降の経緯は追えていませんでしたがどうやら公判請求されていたようで懲役2年に執行猶予4年という厳しい判決が出ています。

最初に逮捕されたときは迷惑防止条例違反でしたが、盗撮被害を受けていたのが高校の女子生徒ということで児童ポルノ禁止法違反となることも考慮していたところ、それでも前科等が無ければ罰金で済む可能性もあると見ていました。しかし今回の判決を見る限りではとてもそんな甘いものではなかったようです。

まず、迷惑防止条例違反としてはあまり考えにくいほど重い罰となっているので、脱衣状態の女子生徒を盗撮したことで児童ポルノ禁止法違反で起訴されているのだろうと思われます。

また、「一部示談も成立している」ということから被害者が複数おり、1件ではなく複数の児童ポルノ禁止法違反事件として起訴されていることも窺えます。それらを合わせて懲役2年、執行猶予4年という厳しい判決になっているのでしょう。

盗撮絡みの事件としてはなかなか見ない重い罰ですが、被害者が高校の女子生徒という児童ではなく成人女性だったら児童ポルノの製造にはなり得ず迷惑防止条例違反に留まっていたと思われますので、風呂やトイレなどで児童を狙う盗撮がいかにリスキーかよくわかります。

被告人においてはもし4年以内に再犯に及べば今回の2年を加えた服役が待っているということになります。本来は罰金で済まされるような迷惑防止条例違反としての盗撮事件を起こしても公判請求され、執行猶予取り消しとなる可能性も大きくなりますので正に崖っぷちと言えるでしょう。

女子トイレごみ箱に小型カメラ設置、盗撮の市職員起訴

滋賀県野洲市役所の女性用トイレに盗撮目的で小型カメラを設置したとして、大津地検は12日、建造物侵入と県迷惑行為等防止条例違反の罪で、同市環境課主事の男(27)=草津市東矢倉2丁目=を起訴した。

起訴状では、昨年12月6日午後4時ごろ、市役所別館2階の女性用トイレに侵入し、小型カメラをごみ箱に設置した、としている。
引用元 : 京都新聞 2019年3月12日 19時0分配信

こちらも先月取り上げていた公務員による市役所トイレでの盗撮事件の続報ですが、罰金で済まされる程度の事件と思っていましたところ、こちらもそれでは済まずに公判請求されたようです。

撮影したデータを無線で送るタイプのカメラを使っていた点などは悪質と判断されるでしょうし、押収したPC等から余罪が発覚して別途立件されていることは予想できますが、初犯でなければこの内容の事件で公判請求されるのは厳しいと言えるでしょう。

記事が短いので背景が読み取れませんが、可能性として考えられるのは初犯ではなく前科等があるということか、あるいは発覚して裏も取られた余罪が多くて常習として起訴されているということでしょうか。

被告人が20代とまだ若いので前科等は考えにくくもありますが、不起訴とはいえ停職処分で済んでいる例もありますのでこの事件でも案外初犯ではないのかもしれません。

先月取り上げた記事にて逮捕までの経緯を見る限りでは盗撮事件として特殊な点は撮影したデータを無線で送るカメラを使っていたということくらいしか無く、仮に上述のいずれでも無いとしたら特殊なカメラを使用した盗撮事件においては厳罰化の傾向が見られるということになるので今後も注視していきたいところです。

公判請求して罰金を求刑するくらいなら略式起訴して終わらせておけば良いということになりますので、この事件においては懲役刑の求刑、判決では執行猶予が付けられるということになるのではないでしょうか。

女子中高生を集め盗撮風のポルノ動画を製造販売か 男逮捕

女子高校生をSNS上で勧誘してポルノ動画に出演させ、その動画を販売したとして、横浜市の39歳の男が県警に逮捕されました。

児童ポルノ製造などの疑いで逮捕されたのは、横浜市栄区小菅ケ谷の動画販売業の容疑者です。容疑者はおととし7月、綾瀬市に住む当時高校2年の女子生徒に対し、ツイッター上でポルノ動画に出演するよう勧誘、横浜市内のレンタルルームで動画を撮影し動画販売サイトで売った疑いが持たれています。

県警によりますと容疑者は複数の少女に対しツイッター上で「動画のモデルに興味がないか」などと勧誘し盗撮風に演出された動画1本につき1万5000円などの出演料を支払っていたということです。県警が自宅から押収したパソコンからは、13歳から17歳の女子中高生らを中心に延べおよそ160人を撮影した動画が見つかっているということです。

県警の調べに対し容疑者は、「16歳ではなく18歳だった。撮影したのは下着ではなく水着」などと容疑を否認しているということです。
引用元 : テレビ神奈川 2019年3月14日 18時55分配信
※被告人の氏名部分を修正しております。

今のところ、いわゆる「逆さ撮り」などによる盗撮動画は児童ポルノに該当しないと以前から述べていたところにこの記事の見出しが飛び込んできたのでついに児童ポルノの定義解釈を改めたのだろうかと早合点しました。

しかしよく調べてみると盗撮という行為が関係してくる要素はほとんど無く、単に女子中高生を勧誘して児童ポルノに該当する動画を撮影し、ネット上で販売していたという事件のようです。

ニュースの見出しによっては動画の演出に関して盗撮風だったり痴漢風だったりしていてやや判然としませんでしたが、下記でサンケイスポーツが報じているように「制服姿の女子生徒に抱きつく動画などを撮影した」ということであれば逮捕容疑としては痴漢風の方が実態に近いのではと思われます。

逮捕容疑は17年7月27日ごろ、当時16歳だった女子生徒(18)をモデルに誘い、横浜市神奈川区のレンタルルームで、制服姿の女子生徒に抱きつく動画などを撮影した疑い。

容疑者は、女子生徒らのツイッターを見て、モデルに勧誘。約1万円を支払って、制服姿で下着が見えるといったわいせつな動画を撮影し、1本約1000円で売っていた。
引用元 : サンケイスポーツ 2019年3月14日 19時55分配信

同時に「制服姿で下着が見えるといったわいせつな動画を撮影」ともされていますが、被写体が児童であってもスカート内などの盗撮で下着が見える程度ならばわいせつでも児童ポルノでもないというのは変わらないでしょう。

仮にそう解釈するのであれば、エスカレーターで前にいる女子高生のスカート内にスマホを突っ込むといった度々報道されているような事件においては即児童ポルノ禁止法違反(製造)とならなければおかしいという話になります。

ただ、盗撮風という見出しで報道される背景としてはツイッター上で女子中高生をモデルに勧誘していたことが影響しているのかもしれません。

抱きつくなどの痴漢風の動画モデルよりは盗撮風に下着を撮られる程度の方が心理的なハードルが低いと考えられ、おそらく勧誘においては後者のモデルという名目で交渉していたのではないかと思われます。

そして勧誘した女子中高生らの中には報酬の上乗せ等により痴漢風の動画モデルにも合意したケースがあると思われ、被疑者としてはそうした痴漢風の行為が真の目的だったのかもしれませんが、それに合意しなかったケースでは盗撮風の動画撮影に留まっていたと考えられますのでそうした動画も多く販売していたことで盗撮風というワードが全面に出てきているのではないでしょうか。

画像販売サイトに提供する目的で児童ポルノを製造したなどとして、県警少年捜査課と高津署は14日、児童買春・ポルノ禁止法違反(提供目的製造)と職業安定法違反(有害業務募集)の疑いで、横浜市栄区小菅ケ谷1丁目、動画販売業の男(39)を逮捕した。県警は押収物の解析などから、同容疑者が女子中高生を含む延べ約160人のわいせつ画像を撮影し、サイトに提供していたとみて、裏付け捜査を進める。

(中略)

県警は18年12月に同容疑者の自宅を捜索し、撮影で使ったとみられる制服や下着、画像編集機器などを押収していた。昨秋ごろに学校関係者から「下着を見せるアルバイトをしている生徒がいる」との情報提供などがあり、捜査していた。
引用元 : 神奈川新聞 2019年3月15日 5時0分配信

なお、捜査のきっかけは学校関係者からの通報だったようで、「下着を見せるアルバイトをしている」ということが教職員にまで伝わってしまう高校の荒れ方も気になりますが、やはり勧誘の名目としては盗撮風の動画モデルということだったのだろうと思われます。

被疑者は「16歳ではなく18歳だった。撮影したのは下着ではなく水着」として否認しているようですが、少なくとも後者については児童ポルノに該当するような動画では下着か水着かは関係ありません。例えば抱きつくなどの動画において衣服を脱がせたり、胸や陰部に触れたりなどしていて児童ポルノと判断されていると思われますのでそれが水着であっても児童ポルノに変わりはありません。

また、年齢の確認についてもおそらく児童からの事情聴取などで裏を取っているのでしょう。18歳以上だと思っていた、18歳だと聞いている、という程度で年齢の不知を認定するほど甘いものではありません。

児童買春や児童ポルノの製造までであれば良くすれば罰金で終わる可能性もあったかもしれませんが、この事件においては児童ポルノの販売まで行っていますので罰金刑では済まないかもしれません。おそらくは執行猶予付きの懲役刑、今後の余罪捜査でさらに別の事件も立件されるようだと実刑という可能性もあるのではないでしょうか。

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