盗撮などの性犯罪での逮捕やその前後に関する情報を配信してまいります。

盗撮で逮捕される日

ニュース考察

先週の盗撮事件ニュース(3月12日~3月18日)

更新日:

先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。

盗撮目的でセンター試験会場の女子トイレに侵入 男に懲役1年求刑/岩手

試験会場の女性用トイレに盗撮目的で侵入したとして起訴された男の初公判が12日、盛岡地裁で開かれました。検察側が懲役1年を求刑し、裁判は結審しました。

建造物侵入の罪に問われているのは、事件当時、盛岡市上堂に住んでいた横浜市旭区の無職被告24歳です。被告は1月13日の夕方、大学入試センター試験の会場となっていた盛岡市の岩手大学で、中央食堂の女性用トイレに盗撮をしようと4度にわたって侵入したとされています。

12日の初公判で被告は「間違いありません」と起訴内容を認めました。裁判は一日で結審し、検察側は「盗撮行為にも及んでおり悪質な犯行。前科もあり常習性も窺われる」と指摘し懲役1年を求刑しました。

一方、弁護側は「被告は反省し、現在性障害の治療施設にも通院している」として、執行猶予つきの判決を求めました。判決は今月23日に言い渡されます。
引用元 : IBC岩手放送 2018年3月13日 11時7分配信
※被告人の氏名部分を修正しております。

以前の記事で取り上げていた事件の続報で、逮捕当時の報道では触れられていなかった前科があったようで略式起訴などによる処分ではなく公判請求されていたようです。

その前科が同種のものなのか違うのかハッキリしませんが、「前科もあり常習性も窺われる」という検察官の指摘から性的な目的による盗撮や建造物侵入などの同種前科であることが窺われます。今回こうした内容の建造物侵入のみで公判請求されていることからもやはり関連する前科があるのでしょう。

求刑も1年と建造物侵入のみとしては軽くないところ、一方で弁護人が執行猶予を求めていることから前科といっても罰金までに留まっているものなのではとも思われます。

刑法 第25条

第1項
次に掲げる者が三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により、裁判が確定した日から一年以上五年以下の期間、その執行を猶予することができる。
  1. 前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
  2. 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
第2項
前に禁錮以上の刑に処せられたことがあってもその執行を猶予された者が一年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受け、情状に特に酌量すべきものがあるときも、前項と同様とする。ただし、次条第一項の規定により保護観察に付せられ、その期間内に更に罪を犯した者については、この限りでない。

執行猶予はこのように定められていますが、こうした条件に該当せず法的に執行猶予があり得ないのに弁護人がそれを求めることは通常無いのではと思われますので、おそらくは盗撮などによる罰金刑の前科があるということなのではないでしょうか。

細かいことを言うと、ごく短期の懲役刑に対する2,3年の執行猶予が明けている可能性や、執行猶予期間中に今回の事件を起こして再度の執行猶予を求めている可能性も無くは無いですが、いずれの場合も強調されていておかしくない事情であるところ、それらに触れられていないということは無いのかなと思います。

おそらく懲役1年、執行猶予3年といったところで落ち着くのではと思われますが、一方で被告人の年齢も気になるところです。

今回の事件を加えると24歳で少なくとも2件の性犯罪絡みの前科があることになり、今回執行猶予が得られてもその期間中に再犯に及ぶことがあれば服役は免れないでしょう。執行猶予が明けたとしてももし満了から間もなく同種の事件を起こせばそのときは執行猶予は得られないかもしれません。

状況だけ見ると20代のうちに刑務所へ行くことになる可能性が高い状態に陥っていると思われます。通院しているという性障害の治療施設がどういったものかわかりませんが、通院しているということは本人にも常習性等の自覚はあると見られます。

ここで本当に反省して足を洗えるか、再犯に及んで30歳を前にして服役することになるのか、特に後者においてはそのまま転落し続けてしまうことも大いにあり得ますので、被告人の今後の人生において今回の裁判は大きなターニングポイントになるのではないでしょうか。

焼き肉店のトイレにカメラを…僧侶が女性盗撮の疑い

盗撮の疑いで逮捕された僧侶は「性欲を満たすためだった」と供述しています。

愛知県蒲郡市の僧侶(41)は13日夜、愛知県豊橋市の焼き肉店の男女共用のトイレに侵入し、個室の水洗タンクの底に小型カメラを仕掛け、女性を盗撮したとして逮捕されました。警察の取り調べに対し、「性欲を満たすためだった」と容疑を認めています。

警察によりますと、トイレの前を行ったり来たりしている容疑者を不審に思った従業員が、トイレでカメラを発見して通報したということです。
引用元 : テレビ朝日 2018年3月14日 18時44分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。

先月の記事で宗教法人職員による盗撮事件を取り上げていたところ、今回は僧侶による事件が出てまいりました。事務方である職員よりもまさに仏に仕える身である僧侶となるとより大きな衝撃があります。

「女性を盗撮したとして逮捕」ということは盗撮自体はできていたものと見られますが、残念ながら「トイレの前を行ったり来たりしている」という明らかに不審な挙動で従業員に目を付けられて発覚に至っています。

トイレ内に仕掛けたカメラが気になる気持ちはわからなくはありませんが、たびたび述べているようにこうした不審な動きは全てを台無しにします。不審な挙動から盗撮行為が露呈する事例がまた一つ増えたと言えるでしょう。

なお、他の報道によると逮捕容疑は迷惑防止条例違反と建造物侵入となっています。以前は2つ適用できるケースでもいずれか片方で逮捕という事件を目にしていましたが、2つセットで逮捕される事件が多くなってきたように感じます。

愛知県 迷惑防止条例 第3条

(中略)
第2項
何人も、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、故なく、人を著しくしゆう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 人の身体に、直接又は衣服その他の身に付ける物(以下「衣服等」という。)の上から触れること。
  2. 衣服等で覆われている人の身体又は下着をのぞき見し、又は撮影すること。
  3. 前二号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。
第3項
何人も、公衆が利用することができる浴場、便所、更衣室その他公衆が通常衣服等の全部又は一部を着けない状態でいる場所にいる人に対し、故なく、人を著しくしゆう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、人の姿態をのぞき見し、又は撮影し、その他卑わいな言動をしてはならない。
(以下略)

このように愛知県の迷惑防止条例では盗撮目的でカメラ等を向けたり設置したりする行為はまだ規制されていないので、今回の事件で迷惑防止条例違反が適用されているということは上述の通り撮影にまで至っていたということでしょう。

これが公務員だと懲戒免職は避けられても依願退職に追い込まれたり、職は辞さなくても懲戒処分は避けられないところですが、僧侶の場合はどうなのでしょうか。何か処分などがあったりするのでしょうか。

盗撮容疑で46歳検事を逮捕 勤務先庁舎の女子トイレで 神戸地検

兵庫県姫路市の神戸地検姫路支部庁舎で、盗撮目的で女子トイレに侵入して個室にスマートフォンを差し入れるなどしたとして、神戸地検は15日、建造物侵入と兵庫県迷惑防止条例違反の疑いで、同地検総務部付検事(46)=大阪市淀川区=を逮捕した。地検は認否を明らかにしていない。

逮捕容疑は昨年9月19日と今年2月6日、当時勤務していた同地検姫路支部(姫路市北条)別館内の女子トイレに侵入し、個室内にいた女性に向け盗撮目的でスマホを差し入れるなどしたとしている。

容疑者は平成19年9月に任官。事件発覚後に同支部から同地検に異動し、現在は休暇中という。地検は他に同様の行為がなかったかも捜査する。

地検の永幡無二雄次席検事は「当庁所属の検事を逮捕する事態となったことは遺憾で、国民に深くおわびする。徹底的に捜査し真相を解明したい」とコメントした。
引用元 : 産経新聞 2018年3月15日 17時22分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。

こちらも普通はそんなことしないだろうと一般的に思われる職業に就いている被疑者による盗撮事件です。

警察官はもとより裁判官や裁判所職員による盗撮事件というのもたまに見られますが、提出された証拠資料をもとに被疑者や被告人と接する裁判官や裁判所職員と違い、取り調べなどでもそれなりに長い時間を直に接して処分を決める検察官による事件はまた一つ違ったインパクトがあります。

この検察官が盗撮事件を扱ったことがあるのかどうかはわかりませんが、女子トイレに侵入してスマホを直接差し入れるという何のひねりも無い稚拙な方法に疑問を持つことは無かったのでしょうか。

盗撮事件の取り調べで得た知識をもとに、というのは悪質ではありますがきっかけとしてはわからなくは無い一方、曲がりなりにも検察官が女子トイレの個室という逃げ場の無い場所に篭ってあろうことかスマホで直接、という衝動的な思い付きにも等しい犯罪に至った経緯には興味すら湧くところです。

建造物侵入などの疑いで逮捕されたのは、神戸地検の検事(46)です。

容疑者は去年9月と先月、当時、勤務していた姫路支部別館の女子トイレに侵入して個室内にいた女性を盗撮するため、上からスマートフォンを差し向けた疑いが持たれています。この建物に入るためには鍵が必要で、一般の人は立ち入ることができないということです。神戸地検は、容疑者の認否を明らかにしていません。
引用元 : テレビ朝日 2018年3月15日 18時44分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。

なお、現場となった建物に入るためには鍵が必要で一般人の立ち入りは制限されているとのことで、これは条例の規制が及ぶ公共の場所には該当しないと思われます。

兵庫県 迷惑防止条例 第3条の2

何人も、公共の場所又は公共の乗物において、次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動
  2. 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を撮影する目的で写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下「写真機等」という。)を設置する行為
第2項
何人も、集会所、事業所、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用するような場所(公共の場所を除く。)又は乗物(公共の乗物を除く。)において、次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を写真機等を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向ける行為
  2. 前項第2号に掲げる行為
第3項
何人も、正当な理由がないのに、浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる人を写真機等を用いて撮影し、撮影する目的で写真機等を向け、又は撮影する目的で写真機等を設置してはならない。

それでもこの事件では迷惑防止条例違反でも逮捕されているところ、この場合は第3項の「浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」に該当して要件を満たすことによるものと考えられます。

盗撮目的で女子トイレに立ち入っていますので建造物侵入の疑いもあるのは過去の記事でもたびたび触れている通りです。

さすがにこの検察官に前科があるということは無いでしょうから、処分としては悪くて罰金、良くても退職や免職を引き換えとした示談成立ということで不起訴といったところでしょうか。

ハチ公前で盗撮容疑、逮捕の一部始終をJNNが目撃

東京・渋谷駅前で傘に取り付けた小型カメラで女性の下半身を盗撮したとして、30代の男が警視庁に逮捕されました。犯行の一部始終をJNNのカメラが捉えていました。

今月15日午後3時ごろのJR渋谷駅・ハチ公前広場。晴天の中、スーツ姿の男が傘を手にうろついています。その後、男は不自然に女性のすぐ後ろに立つと、スカートの中に傘を差し出しているように見えます。この傘の先端には「小型カメラ」が取り付けられていました。

犯行を目撃したJNNの番組スタッフからの通報を受け、現場に駆け付けた警察官が事情を聴いていたところ、男はいきなり逃走しました。男は、およそ100メートルほど離れた路上で身柄を確保されました。

東京都の迷惑防止条例違反の疑いで現行犯逮捕されたのは、職業不詳の30代の男です。男のスマートフォンには女性の下半身を撮影した動画が保存されていたということですが、警視庁の取り調べに対し黙秘しています。傘の先端には、小型カメラのほか撮影した映像をスマートフォンに送信する機器も付いていたということです。

警視庁は、男が盗撮した動画をスマートフォンに送信し、保存していたとみて調べを進めています。
引用元 : TBS 2018年3月18日 17時56分配信

盗撮していると見られる場面や通報を受けて駆け付けた警察官が事情を聴いている場面、そして走って逃走する場面まで一部始終を捉えたという映像が配信されているのでインパクトの大きい報道になっています。

たまたま現場にテレビ局のスタッフとカメラがいてその様子を撮影できたという偶然もあるのかと感じましたが、渋谷のハチ公前なら何かの取材や街頭インタビューなどで出張ることも多いでしょうからそれほど不思議ではないのかもしれません。

晴れているのに傘を持って不自然に女性の後ろに立つと言われると不審な挙動のようにも思えますが、順序としては傘の先端に何か取り付けられていることに気付いてそれを確認し、ある程度確信を得てからカメラを回し始めたのではないでしょうか。

なお、被疑者は黙秘しているとのことで、何の目的で黙秘しているのかはわかりませんが、このケースでは被疑者からの供述が一切無くても有罪まで持ち込める事件と思われますので少なくともこの事件においてはあまり意味の無い黙秘と言えるかもしれません。

警察官からの事情聴取中に逃走、盗撮した映像がスマホに保存されており、そして盗撮中と見られる場面が映像に収められているなど証拠は十分と思われますので、被疑者が黙秘していても盗撮が客観的に立証可能ではないでしょうか。

一方で被疑者が黙秘していると取り調べの場では口を割らせることに注力しがちになるため、今回の盗撮の話に焦点が向くようになります。もしかするとそれを狙って黙秘しており、場合によっては今回逮捕された盗撮とは別のところに隠したい事実があるということなのかもしれません。

傘の先端に小型カメラを付け、その映像をスマホに転送するという手口を見ても割と手慣れている印象を受けますが、もちろん巧妙で悪質な手口と判断されるでしょうし、このまま黙秘していても比較的厳しい処分が待っているように感じます。

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