盗撮などの性犯罪での逮捕やその前後に関する情報を配信してまいります。

盗撮で逮捕される日

ニュース考察

先週の盗撮事件ニュース(8月17日~8月23日)

更新日:

先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。

入浴中の少年を盗撮した疑い…小学校教師の男を再逮捕

小学校教師の男が、宿泊施設の浴場で少年を盗撮した疑いで再逮捕されました。

児童ポルノ禁止法違反の疑いで再逮捕されたのは、和歌山県内にある公立小学校の教師の男(26)です。

男は去年11月、和歌山県内の宿泊施設の浴場で、18歳未満だと知りながら、少年の体をスマートフォンのカメラで盗撮した疑いがもたれています。男はことし7月に、陸上競技場の男子トイレに侵入し少年を盗撮した疑いで逮捕されていました。

警察によると、男のスマートフォンを調べたところ複数の少年の裸の動画が見つかり、再逮捕にいたったということです。男は見つかった動画について「性欲を興奮させたり刺激したりするために撮影したものではない」と容疑を否認してます。
引用元 : 関西テレビ 2020年8月17日 14時36分配信

小学校の教員による宿泊施設浴場での盗撮事件です。この事件では再逮捕となっており、別の盗撮事件で既に逮捕されていた被疑者の余罪で再逮捕した形でしょうか。

今年7月の先の事件というのは、和歌山県の小学校教員という肩書きや26歳という被疑者の年齢、陸上競技場の男子トイレにおける盗撮事件といった点などから以前の記事で取り上げていた小学校の教員による着替え盗撮事件と見て間違い無さそうです。

先の事件での被害者が少年とされていて少なくとも成人していなかった事はわかっていましたが、18歳未満なのかどうかがハッキリせず児童ポルノ禁止法違反に該当するのかどうかが不透明なままでした。しかし、おそらく余罪として発覚した別の盗撮事件で被害者が18歳未満だったようで、結局児童ポルノ禁止法違反で再逮捕される事になりました。

いずれの事件も被害者が少年なので未成年の男子への執着が強い事が窺われ、小学校の教員という点にも懸念が感じられてきます。勤務先の小学校でも男子のトイレや着替えなどを盗撮していてもおかしくないわけですので、さらに余罪が掘られるようだと罰金では済まなくなってくるかもしれません。

男子の裸を撮影した事は認めていても性欲のためではないと否認しているようですが、この供述は児童ポルノの該当性に関して具体的すぎるので流石に本人がそのまま言った事ではなく発表の際に意訳されたのではないでしょうか。

児童ポルノ禁止法 第2条 第3項

この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
  1. 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
  2. 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
  3. 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの

いわゆる3号ポルノは「性欲を興奮させ又は刺激するもの」でなければならないのでこれには該当していないという主張で否認していると思われますが、仮に本人がこのまま供述したのであればよく勉強しているなという事で、分かった上でやった事だろうと墓穴を掘る結果にしかならないでしょう。

逮捕されている2件以外にもスマホから男子の裸を撮影した動画が出てきてもいるようですので言い逃れは難しいではと感じます。罰金としても50万円を下る事は無さそうに思われますし、他の余罪でさらに再逮捕されたりこのまま否認したりしていると公判請求される事もあり得ますので執行猶予付きの懲役刑も視野に入ってくるのではないでしょうか。

女子更衣室の隙間から小型カメラのぞく…利用者通報、中高一貫校の講師逮捕

琵琶湖の水泳場の女子更衣室に侵入したとして、滋賀県警大津北署は16日、三重県伊賀市下神戸、中高一貫校講師の男(30)を建造物侵入容疑で現行犯逮捕した。

発表によると、男は16日午後4時35分頃、大津市南小松の近江舞子中浜水泳場で、地元自治会が管理する女子更衣室に侵入した疑い。容疑を認め「着替えを盗撮するために入った」と話しているという。

更衣室を利用していた女性が、個室の壁上部の隙間から小型カメラがのぞいているのを見つけ、一緒にいた友人を通じて派出所に通報。男が持っていたスマートフォンから女性らが映った動画が確認され、大津北署は県迷惑行為等防止条例違反(盗撮)容疑でも調べる。
引用元 : 読売新聞 2020年8月18日 10時54分配信

こちらも教員による盗撮事件ですが、逮捕容疑は着替えを盗撮する目的で水泳場の女子更衣室に侵入したという建造物侵入のようです。これは現行犯逮捕なので建造物侵入のみのようですが、スマホから盗撮したと見られるデータが出てきているようなので迷惑防止条例違反の疑いでも調べられています。

建造物侵入の現行犯との事なので更衣室に出入りしている所や現に更衣室にいた所を取り押さえられたのだろうかと思いましたが、発覚のきっかけは更衣室の利用者が小型カメラを見つけて警察へ通報した事のようで、そこからどのように被疑者に辿り着いたのかよくわかりません。

更衣室に仕掛けられていたのが小型カメラで、盗撮した動画と思われるデータが出てきているのは被疑者のスマホとの事なので得物が同じというわけでも無さそうです。発覚からの経緯を見た感じでは少なくともその場に被疑者がいたわけではないように思えますが、とはいえ現行犯ですので被疑者が更衣室に出入りする瞬間や更衣室内にいるのを目撃した人がいたりしたのでしょう。

なお、滋賀県の迷惑防止条例では更衣室における盗撮行為や勿論、盗撮目的でカメラを設置する盗撮準備行為も処罰の対象となります。そのため、今回の事件で実際に盗撮された被害者がいなくても盗撮目的で小型カメラを仕掛けていますので迷惑防止条例違反となるのは免れないと思われます。

滋賀県 迷惑行為等防止条例 第3条

何人も、公共の場所または公共の乗物において、みだりに人を著しく羞恥させ、または人に不安もしくは嫌悪を覚えさせるような次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 直接または衣服その他の身に着ける物(以下「衣服等」という。)の上から人の身体に触れること。
  2. 人の下着または身体(これらのうち衣服等で覆われている部分に限る。以下「下着等」という。)をのぞき見すること。
  3. 前2号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。
第2項
何人も、公共の場所、公共の乗物または集会所、事務所、学校その他の特定多数の者が集まり、もしくは利用する場所にいる人の下着等を見、またはその映像を記録する目的で、みだりに写真機、ビデオカメラその他撮影する機能を有する機器(以下「写真機等」という。)を人に向け、または設置してはならない。
第3項
何人も、公衆または特定多数の者が利用することができる浴場、便所、更衣室その他の人が通常衣服の全部または一部を着けない状態でいる場所において、当該状態にある人の姿態を見、またはその映像を記録する目的で、みだりに写真機等を人に向け、または設置してはならない。

地元自治会が管理する女子更衣室との事ですので「公衆または特定多数の者が利用することができる更衣室」と解釈されると考えられ、盗撮できていてもできていなくても第3項に該当すると思われます。

このまま建造物侵入のみだったり、或いは盗撮準備行為までに留まるのであれば罰金は10万円から20万円程度、実際に盗撮までできていたのであれば30万円といったところなのではないでしょうか。

「女性の裸が見たくて」…28歳保育士の男を住居侵入容疑で逮捕 「風呂場の窓の隙間から撮影した」と供述

三重県鈴鹿市の住宅の敷地内に侵入したとして、保育士で28歳の男が逮捕されました。男は入浴中の女性を盗撮したとみられています。

逮捕されたのは鈴鹿市の保育士(28)です。

容疑者は7月20日午後8時頃、鈴鹿市の住宅の敷地内に侵入した住居侵入の疑いが持たれています。当時、この家では女性が入浴中で、容疑者が風呂場の窓に携帯電話をかざしている様子が防犯カメラに映っていたことから逮捕に至りました。

調べに対し容疑者は容疑を認めたうえで、「女性の裸が見たくて風呂場の窓の隙間から携帯電話で撮影しました」と供述しています。鈴鹿市内では春ごろから同様の被害の相談が数件あることから、警察が関連を調べています。
引用元 : 東海テレビ 2020年8月19日 15時45分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。

保育士による風呂盗撮事件です。こちらも逮捕容疑は迷惑防止条例違反ではなく盗撮目的で民家の敷地内に立ち入ったという住居侵入の疑いまでに留まっていますが、被疑者特定のきっかけは犯行の様子が防犯カメラに捉えられていた事と明らかにされています。

事件を起こしたのが1か月程前の7月20日とされていますので後日逮捕という事になるでしょうか。ただ、そもそもどのようにして発覚したのかはよくわかりません。考えられるのは、その場で気付かれて逃げたのか、同様の被害相談が数件あったとの事なのでその捜査の過程で浮上したのか、そんなところでしょうか。

最近は民家に防犯カメラが設置されているのは何も珍しい事ではないのでそうした防犯カメラが犯罪捜査に役立てられる事も多くなっていますが、防犯カメラに撮られている事に気付かないまま風呂場の窓に携帯電話をかざして盗撮していたというのは間抜けとしか言いようがありません。

しかし、三重県の迷惑防止条例では盗撮行為の規制が公共の場所に限られているため、民家の風呂を盗撮する行為が迷惑防止条例違反に該当しない可能性があります。盗撮目的でカメラ等を向けるなどの盗撮準備行為も処罰の対象にはなっておらず、逮捕容疑が住居侵入に留まっているのは住居侵入でしか検挙できなかったからなのかもしれません。

三重県 迷惑防止条例 第2条

(第1項略)
第2項
何人も、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、正当な理由がないのに、人を著しくしゆう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 人の身体に、直接又は衣服その他の身に着ける物(以下この条において「衣服等」という。)の上から触れること。
  2. 衣服等で覆われている人の身体又は下着をのぞき見し、又は撮影すること。
  3. 前二号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。
第3項
何人も、みだりに、公衆浴場、公衆便所、公衆が利用することができる更衣室その他公衆が通常衣服等の全部又は一部を着けない状態でいる場所における当該状態にある人の姿態を撮影してはならない。

三重県でも盗撮に関する規制強化のための条例改正が進められており、現在改正案に関するパブリックコメントが募集されています。この事件のような民家の風呂盗撮や盗撮準備行為も処罰できるように改正される予定ですが、まだ改正前ですので当然この事件には適用されません。

同様の被害相談が数件あるとの事なのでそれらが被疑者の余罪として挙がってくる可能性がありますが、被害者が18歳未満の児童で児童ポルノの盗撮製造になるといったような事でも無ければこのまま住居侵入のみになる事はあり得ますので、そうなるとせいぜい10万円程度の罰金で済まされるという事もあるのではないでしょうか。

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