先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。
大阪市住之江区職員を書類送検、市営地下鉄車内で盗撮 大阪府警浪速署
電車内で女性のスカート内を盗撮したとして、大阪府警浪速署は29日、府迷惑防止条例違反の疑いで、大阪市住之江区役所生活支援課の男性職員(53)=同市城東区=を書類送検した。「性的欲求を抑えられなかった」と容疑を認めている。
書類送検容疑は、6月2日午後6時5分ごろ、市営地下鉄四つ橋線大国町-なんば駅間を走行中の電車内で、向かいの座席にいた20代女性のスカート内を、スマートフォンで動画撮影したとしている。
同署によると、男性職員は勤務を終えて帰宅中だったといい、隣に座っていた男性(51)が行動を不審に思ってスマホを取り上げ、駅員に引き渡した。
同市は「刑事処分の結果を受けて厳正に対応したい」としている。
引用元 : 産経新聞 2017年8月29日 19時4分配信
向かいの座席にいた女性のスカート内を、とのことなので電車内で対面の女性の脚が開いていて下着等が見えていたので盗撮してしまったといったところでしょうか。普通にスマホを手に持つ位置からでは若干角度ができてしまうので、できるだけ正面から盗撮できるように下げて構えていたのが隣の男性からは不審に見えた、ということかもしれません。
過去の同種の事例でも触れていますが、スカートを着用した女性が脚を開いていて下着等が周囲から見えていたとしてもそれを撮影すればアウトです。「見えているものを撮って何が悪い」という理屈は一切通用しません。
大阪府 迷惑防止条例 第6条
- 人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、公共の場所又は公共の乗物において、衣服等の上から、又は直接人の身体に触れること。
- 人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、公共の場所又は公共の乗物における衣服等で覆われている内側の人の身体又は下着を見、又は撮影すること。
- みだりに、写真機等を使用して透かして見る方法により、公共の場所又は公共の乗物における衣服等で覆われている人の身体又は下着の映像を見、又は撮影すること。
- 前三号に掲げるもののほか、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をすること。
何人も、みだりに、公衆浴場、公衆便所、公衆が利用することができる更衣室その他公衆が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいる場所における当該状態にある人の姿態を撮影してはならない。
何人も、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、教室、事務所、タクシーその他の不特定又は多数の者が出入りし、又は利用するような場所又は乗物(公共の場所又は公共の乗物を除く。)における衣服等で覆われている内側の人の身体又は下着を見、又は撮影してはならない。
何人も、第一項第二号若しくは第三号又は前二項の規定による撮影の目的で、人に写真機等を向け、又は設置してはならない。
この事件で被害者のスカート内がどれほど見えていたかはわかりませんが、通常は衣服等で覆われている内側の人の身体又は下着、ということになりますのでこれを盗撮すれば迷惑防止条例違反が成立します。
また、条文の上では撮らずに、被害者が著しく羞恥し、または不安を覚えるような方法でもって見るだけでもアウトにされかねません。逮捕にまで至ることはないと見られますが、被害者が騒ぎ立てれば事情聴取の上で厳重注意、くらいはありえますので見えているから見るということも注意した方が良いでしょう。
盗撮の相手は… まさかのあの職業
三浦市の駅構内のエスカレーターで女性のスカートの中を盗撮しようとしたとして、25歳の男が目撃者の男性に現行犯逮捕されました。この被害者の女性と目撃者の男性、まさかのあの職業でした。
県迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕されたのは、三浦市初声町三戸の容疑者です。県警によりますと容疑者は30日午前7時頃、京急電鉄三崎口駅の上りエスカレーターで、20代の女性のスカートの中にスマートフォンを向け、盗撮しようとした疑いが持たれています。
容疑者の不審な動きに気がつき、現行犯逮捕したのは出勤途中だった三崎警察署の警察官。そして、被害者の女性も三崎警察署の署員でした。三崎口駅は三崎警察署の最寄り駅で、当時、駅には出勤途中の警察官が10人以上いたということです。
調べに対し容疑者は容疑を認めていて、県警は他にも同様の犯行を行っているとみて調べています。
引用元 : テレビ神奈川 2017年8月30日 18時22分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。
これはなんとも運が悪いというか、やってはいけない場所でやってしまった結果というか、事件の経緯だけ見ると夏の虫が飛んで火に入ってしまった印象を受けてしまいます。
こう言うと意識が高い人からは「警察署の最寄り駅なんてあらかじめチェックしておいて避けるべき」などと言われてしまいそうですが、仮にそうした考え方があるとしてそれを実践している人はどれくらいの割合なのでしょうか、少し気になります。
都内に限ると4駅か5駅くらいに1つはどこかしらの警察署の最寄り駅になっていてもおかしくなさそうな気もします(実際に数えたわけではないのでイメージです)。また、出勤途中の警察官が気づいて現行犯逮捕、というケースもありますので警察署の最寄り駅だけ気にしていても意味が無いという考え方もありそうです。
とはいえこの事件のように出勤途中の警察官が集中する場所や時間帯は限られていると考えられますので、少なくともそれらは避けておかないとこの被疑者と同じ末路を辿ることになるかもしれません。
スマホ+エスカレーターという逮捕一直線のやり方も影響しているでしょう。エスカレーターで自分の前にスマホを持った男性、さらにその前にはスカートを着用した女性という状況に警察官が遭遇したらまず警戒すると見て間違いありません。
県立研修施設で女児盗撮 元臨時職員に有罪判決 (岩手県)
去年9月、金ヶ崎町にある県立の研修施設で女子児童を盗撮したとして、児童ポルノ禁止法違反などの罪に問われている元臨時職員の男に対し、盛岡地方裁判所水沢支部は31日、保護観察が付いた懲役2年執行猶予3年の判決を言い渡した。
判決を受けたのは、金ケ崎町にある「県立県南青少年の家」の元臨時職員(33)。判決によると、被告は、去年9月、施設の1階にある浴室脱衣場にデジタルカメラを隠して設置し、複数の女子児童の裸を盗撮したもの。
31日の判決公判で、盛岡地裁水沢支部の鈴木綱平裁判官は、「手口は大胆で悪質。社会に与えた悪影響も重大」とする一方、「謝罪文を出し反省している」としたが、「顕著な常習性が認められる」として、懲役2年の求刑に対し、保護観察が付いた懲役2年、執行猶予3年の判決を言い渡した。
引用元 : テレビ岩手 2017年8月31日 21時5分配信
※被告人の氏名部分を修正しております。
以前の記事で児童ポルノの製造などの疑いで逮捕されたときの報道を取り上げていた事件の続報です。記事で挙げていたようにやはり罰金では済まされず公判請求されていたようで、その判決公判の記事となっています。
被疑者または被告人からの謝罪文というものは多くの事件で出てくるものなのでもはや出さないよりはマシ、という程度のものになっていますが、被告人に有利な情状として記事の中で触れられているものがこれしかないのはやや気になります。
被害者は複数の女子児童とされているところ、どの子(の親御さん)とも示談が成立せず有利な情状を積み上げられなかったのでしょうか。親御さんの処罰感情が強くて示談交渉がままならない、交渉以前に拒絶されて終わり、ということは珍しいことではありません。
また、執行猶予が付いているとはいえ保護観察まで付いているので、この被告人が初犯なのかどうかわかりませんが割と実刑寄りの厳しい判決になっているように思われます。他に何か不利な事情が出てきていたら実刑が相当と判断されていたかもしれません。
被告人がどれだけ把握していたのか窺い知ることはできませんが、一口に盗撮と言っても被害者の年齢や現場の状況によっては一発でこれだけ重い罰を受けることになるのは知っておいて損は無いと思います。
柏崎市職員処分の理由は盗撮
柏崎市が、県迷惑防止条例違反の疑いで書類送検された30代の男性職員を停職処分にしたものの詳細を一切発表していなかった問題で、柏崎市は31日、処分の理由は職員の盗撮だったことを明らかにしました。
柏崎市は、県迷惑防止条例違反の疑いで書類送検された教育委員会の30代の男性職員を8月9日、停職3か月の懲戒処分にしたと発表したものの「捜査に支障を出さないため」として、詳細を一切発表していませんでした。
この問題で、柏崎市は男性職員が30日、起訴猶予処分になったことを受けて、処分した理由を31日明らかにしました。男性職員は、ことし6月、長岡市内の商業施設でスマートフォンを使って女性を盗撮していたということです。
男性職員は「仕事を懸命にする中で、魔が差した。女性や市民に申し訳ない」と話しているということです。
引用元 : NHK 2017年9月1日 15時54分配信
懸命に仕事をするというのは何ら特別なことではないのでこれをきっかけとして挙げてしまうのは理解できません。世間の感情からはそんなことは当たり前、皆懸命にやっている、これだから公務員は、ということになってしまいますので反感を買って余計記憶に残りやすくなってしまうでしょう。
盗撮に限った話ではありませんが、仕事のストレスがあった、酒を飲んでいた、子どもがしたことだから、等々はもはや納得できる言い訳になる時代ではなく、同情を買えるご時世でもありません。こうした言い訳はむしろ余計にヘイトを集める結果になることでしょう。
盗撮によって捕まることは想定できても捕まった後の供述(この場合は犯行のきっかけや動機など)まで考えている人はなかなかいないでしょうが、性欲に根付いているのが当然と考えられる犯行のきっかけなどを変に取り繕うと、正当化しようとしていると捉える向きも現実には存在します。
盗撮で捕まってから仕事を絡めたきっかけや動機を語ったところで賛意を示したり同情したりするような人は現代社会にはいないと考えた方が良いでしょう。
中継先の女子シャワー室にカメラ設置 盗撮目的、NHK職員を逮捕 沖縄県警
与那原署は2日、盗撮の目的で沖縄本島南部の宿泊施設の女子シャワー室に侵入し、ビデオカメラを設置したとして、建造物侵入と県迷惑行為防止条例違反の疑いで、那覇市のNHK沖縄放送局職員(30)を逮捕した。調べに対し「間違いありません」と容疑を認めているという。
逮捕容疑は8月30日午後3時ごろから31日午後4時ごろまでの間、中継業務で訪れていた宿泊施設の女子シャワー室に侵入し、ビデオカメラを設置した疑い。清掃中の同施設職員がビデオカメラを発見して同署に通報し、発覚した。同署は2日、容疑者宅を家宅捜索し、関係資料を押収した。
NHK沖縄放送局は「職員が逮捕され遺憾です。事実関係を確認した上で厳正に対処します」とコメントした。
引用元 : 沖縄タイムス 2017年9月3日 9時5分配信
盗撮目的でシャワー室にカメラを設置したという事件ですが、発覚から逮捕までの時間が同種の事件と比べると短い方なので早期に被疑者が特定されていると見られます。
他の報道を見ても何を決め手として被疑者を特定したのか触れられていませんが、NHK職員が中継業務で訪れていて当時も滞在中だったとのことなので、業務でも使用するカメラを仕掛けていたとか記録されていた映像に被疑者が映り込んでいた、シャワー室付近の防犯カメラに捉えられていたなどといったところでしょうか。
割と広く報道されているのでこの辺りを突っ込んだ詳報がこれから出てくるかもしれませんが、これだけ早く尻尾をつかまれているところを見ると被疑者の凡ミスがあっただろうことが窺えます。中継業務で訪れていたとのことなので仕掛ける現場をろくにリサーチもしていない思い付きの犯行だった可能性もあります。
同種の事例でも凡ミスがきっかけで逮捕に至っているケースは見られますが、これだけのスピード検挙を見るとそれらに輪をかけて杜撰だった印象を受けてしまいます。