先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。
トイレや脱衣所で盗撮の高校教諭を懲戒免職 被害者は女子生徒ら少なくとも計7人
福井県教育委員会は8月31日、公共施設の女子トイレや高校の脱衣所で盗撮したとして、嶺南地域の県立高校の30代男性教諭を同日付で懲戒免職処分としたと発表した。
県教委によると、教諭は7月24日、部活動の引率で訪れた嶺南の公共施設の女子トイレに侵入。個室の仕切り板の下から、スマートフォンで動画を撮影した。利用していた女性が気付き、施設の管理者に通報して発覚した。
県教委は8月11日に教諭に聞き取りを行った。教諭は、19年5月にもこの公共施設で盗撮し、17年8月には勤務していた嶺北地域の県立高校で脱衣所に小型カメラを設置し動画を撮影したことも認めた。被害者は女子生徒ら少なくとも計7人いるという。聞き取りに対し、教諭は「スリルと達成感で繰り返してしまった。被害者や生徒、同僚には申し訳ないことをした」と話しているという。福井県警は現在、教諭のスマホやパソコンのデータを調べるなど、任意で捜査している。
記者会見で県教委の南谷憲児副部長は「教育に携わる者があってはならないことをした。生徒や保護者、県民の信頼を裏切りおわび申し上げる。信頼回復に努めたい」と陳謝した。県教委の基準では、懲戒免職は実名を公表する。今回、名前や勤務先を公表しなかった理由について南谷副部長は「被害者が特定される恐れがあり、警察も捜査中のため」とした。
引用元 : 福井新聞 2020年9月1日 19時17分配信
高校の教員による盗撮が発覚して懲戒免職となった事を報じたニュースです。既に警察が教員のスマホやPCを調べるなど捜査が始まっているようで事件化されているのかもしれませんが、逮捕はされていないようで任意での捜査とされています。
発覚のきっかけは部活の引率で訪れた公共施設でのトイレ盗撮との事ですが、県教委による聞き取り調査で前任校の脱衣所で女子生徒を盗撮していた事が明らかになるなどしています。教員による盗撮となると懲戒免職は避けられないところですが、前任校での盗撮については被害者が女子生徒で現場が脱衣所との事なので事件になれば児童ポルノの盗撮製造の可能性が出てくるでしょう。
PCなどからそれを裏付けるデータが出てくればアウトでしょうが、法的な強制力の無い県教委の聞き取り調査で白状したのは諦めから正直に話したものなのか、或いは既に証拠を隠滅しており話しても問題無い範囲だという事だったのか、これは今後の捜査の行方を見ないと判断できませんが、何となくの印象ではこれから逮捕が待ち構えているように思えます。
そもそも発覚のきっかけとなった公共施設でのトイレ盗撮の件で逮捕されていてもおかしくないところですが、流石に児童ポルノの盗撮製造が裏付けられたら任意捜査とは言っていられず逮捕されるのではないでしょうか。その場合は勿論迷惑防止条例違反よりも厳しい罰が待っている事でしょう。
もし児童ポルノ禁止法違反という事になれば、初回から公判請求されている事例もありますので甘い見通しは持てませんが罰金としても50万円は下らないのではと思われます。勿論余罪がどれだけ出てくるかによっても変わってきますので、他にも生徒を狙った児童ポルノの盗撮製造の証拠が出てくれば罰金とも言っていられなくなるのではないでしょうか。
消防士、車にしがみつく女性振り落とす…入浴中の女性の娘を盗撮も
車にしがみついた女性を振り落としたとして、愛知県警豊川署は3日、同県豊川市美園、消防士(25)を殺人未遂容疑で現行犯逮捕したと発表した。
発表によると、容疑者は2日午後11時35分頃、豊川市伊奈町の路上で、同市の会社員女性(55)に向かって乗用車を発進させ、ボンネットにしがみついた女性を振り落として殺害しようとした疑い。女性は軽傷。容疑者は「殺意はなかった」と供述しているという。
容疑者は入浴中だった女性の娘を盗撮したところを見つかり、車で逃げようとした際、女性がその前に立ちふさがったという。
同署などによると、容疑者は同県豊橋市の南消防署西分署に勤務。同本部は「事実関係を確認中」としている。
引用元 : 読売新聞 2020年9月3日 12時24分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。
盗撮がバレて車で逃げようとしたところ、車の前に立ちふさがった女性をボンネットに乗せたまま走行したという殺人未遂事件です。盗撮が発覚し捕まる事を恐れて逃走する段階でより重い罪に及んでしまうケースがたまにありますが、この事件もそうした例と言えるでしょう。
取り押さえようとした人を殴るなど危害を加えて傷害事件となるケースなどがありがちですが、これは車を使用していた事で殺人未遂にまで発展してしまっています。その多くが罰金で済むような盗撮での逮捕を免れようとしてこんな重罪を犯すのは割に合わないとしか言えません。
娘さんの風呂盗撮をしていたところバレて大声を出され、それに反応した親御さんらが車で逃げようとしていた被疑者の前後に立ちふさがったという経緯のようですが、前にも後ろにも逃げられずパニックになっていたのでしょうか。そうだとしても殺人未遂罪はついやってしまったで済まされるような罪ではありません。
刑法 第199条
刑法 第203条
「殺意はなかった」と否認しているようですが、いわゆる未必の故意として判断される事も十分考えられますので見通しは暗いのではないでしょうか。それでもこれ一発で実刑という事は無いと思われますので公判請求されても執行猶予が付くかもしれません。
風呂盗撮については先月の記事で取り上げていた盗撮目的での住居侵入事件とおそらく似た状況と思われ、殺人未遂のおかげで霞んでしまってはいますが迷惑防止条例違反と住居侵入にも該当していると考えられます。もし殺人未遂での立件を免れる事があってもこれらによって30万円から50万円の罰金は科せられるのではないでしょうか。
バレる事を想定していなかったのでしょうが、車はナンバープレート等の名札を付けているようなものですので自家用車を犯行に使うというのはどうにも理解ができません。この事件にしても車で逃げる事に拘らず、ひとまず走ってその場から離れていれば逃げ果せていたかもしれません。
殺人未遂という重罪に発展したせいで単なる盗撮のはずがテレビなどでも広く報道されて名前や顔を晒される結果になってしまっています。捕まりたくない気持ちは理解はできますが、もし当たりどころが悪かったなどで被害者が亡くなる事になっていたらこんなものでは済まなかったのでこの程度だった事には逆にラッキーとでも思わなければならないでしょう。
スマートフォンでスカートの中を盗撮 自営業の男が今年2回目の逮捕【新潟市】
新潟市東区の雑貨店で4日、スマートフォンの動画機能を使って女性のスカートの中を盗撮したとして40代の男が現行犯逮捕されました。この男は今年6月にも同じ手口で盗撮を行い、現行犯逮捕されていました。
県迷惑行為防止条例違反で現行犯逮捕されたのは新潟市東区の自営業の容疑者(42)です。
警察によりますと容疑者は4日正午すぎ、新潟市東区の雑貨店で背後から30代女性店員に忍び寄りスマートフォンの動画機能を使ってスカートの中を盗撮。被害に気づいた店員が大声を上げると、容疑者は逃走を図りましたが、店内にいた他の店員などに取り押さえられたということです。
警察の調べに容疑者は「間違いない」と容疑を認めています。容疑者は今月6月にも新潟市東区の薬局で30代女性のスカートの中を同じ手口で盗撮し、現行犯逮捕されていました。
警察は他にも余罪があるとみて調べています。
引用元 : NST新潟総合テレビ 2020年9月4日 16時30分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。
雑貨店におけるスマホ盗撮で現行犯逮捕されたという事件ですが、被疑者は6月にも盗撮で捕まっていたようで今年2回目の逮捕との事です。何と前回も同じ手口で盗撮して捕まっていたとされており、止められずに再犯に及ぶにしても1回目で何を学んだのかと感じてしまいます。
何の工夫も無い手口で、店内で女性の背後に忍び寄ってスカート内にスマホを突っ込んでいたようです。案の定被害者にバレて大声を出され、逃走しようとしたものの取り押さえられてお縄にかかるという顛末のようですが、前回もおそらく似たような流れなのでしょう。再犯の是非は言うに及ばずですが、それでもやるなら何かバレにくい工夫をしようとは思わなかったのでしょうか。
前回捕まったのが6月との事ですので身柄事件じゃなかったとしても3か月、勾留期限まで身柄を押さえられて罰金を払ってきたとしたら2か月で再び捕まったという事になりますので少なくとも捕まって懲りたという形跡は見られず、場合によっては再犯までの期間がもっと短い事もあり得ますので警察が余罪を疑うのも無理は無いでしょう。
今年2回目というだけでそれより前に前科は無いのか気になるところで、もし無いなら今回も罰金で済む可能性はあります。勿論前回が30万円だとしたら今回は50万円といった具合に厳しくなるのは避けられないのではと思われますが、一方であまりにも反省が見られないので今回で公判請求されるという事もあるかもしれません。
いずれにしてもバレずに盗撮を繰り返す素質は皆無と言わざるを得ず、ここで止めないと今後も捕まり続ける事になるのではないでしょうか。他の店員や利用客、防犯カメラ等の目がある店内でスマホを突っ込むという愚を犯して捕まった1回目で何も学ばなかったのは明白ですが、こんな短期間で再び捕まった事実からは何かを学んでほしいものです。