盗撮などの性犯罪での逮捕やその前後に関する情報を配信してまいります。

盗撮で逮捕される日

ニュース考察

先週の盗撮事件ニュース(9月9日~9月15日)

更新日:

先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。

ゲームセンターで動画盗撮容疑 群馬・伊勢崎市の課長逮捕

背後から女性を盗撮したとして、群馬県警前橋東署は9日、同県伊勢崎市行政課長(55)=伊勢崎市中町=を県迷惑行為防止条例(卑わいな行為の禁止)違反の疑いで現行犯逮捕した、と発表した。

逮捕容疑は、8日午後3時50分ごろ、前橋市内にある大型商業施設のゲームセンターで、セカンドバッグに仕込んだ携帯電話のカメラを使って、背後から女子中学生の尻などを動画撮影したとしている。「女性の臀部(でんぶ)に興味があった」と容疑を認めているという。

同署によると、被害者の周りをうろついている容疑者を店員が発見。声をかけたところ逃げたため、追いかけて取り押さえた。

伊勢崎市の五十嵐清隆市長は「職員が逮捕されたことに大変驚いている。事実関係を把握した上で厳正に対処していく」などとコメントを出した。
引用元 : 毎日新聞 2019年9月9日 18時1分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。

市役所に勤める公務員による盗撮事件ですが、背後から女性を盗撮したというものの撮ったのはスカート内の下着などではなく尻とのことです。スカート内にカメラ等を差し入れて下着等を盗撮したのであればそう書いているはずなので、おそらくは「背後から女子中学生の尻などを動画撮影した」という以上のことはしていないと思われます。

スカート内の下着でなければ良いのかというと勿論そんなことはなく、女性の水着姿を盗撮して逮捕されている事件もあるわけなので正当な理由も無く女性の尻を盗撮していればアウトでしょう。盗撮したのが下着や裸でなくとも処罰するための規定は各都道府県の迷惑防止条例に存在しており、群馬県でもそれは同様です。

群馬県 迷惑防止条例 第2条の3

何人も、公共の場所又は公共の乗物において、人に対し、みだりに、著しく羞恥させ、又は不安を覚えさせるような次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 人の身体に、衣服その他の身に付ける物(以下「衣服等」という。)の上から、又は直接、触れること。
  2. 衣服等で覆われている人の下着若しくは身体をのぞき見し、若しくは撮影し、又はこれらの行為をしようとして、鏡、写真機等を衣服等の下に差し出し、置くなどすること。
  3. 写真機等を使用して透視する方法により、衣服等で覆われている人の下着又は身体の映像を見、又は撮影すること。
  4. 前各号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。
第2項
何人も、正当な理由がないのに、住居、浴場、更衣場、便所その他通常人が衣服の全部又は一部を着けない状態でいる場所において当該状態でいる人の姿態を、のぞき見し、又は撮影してはならない。

表現が曖昧なので最終的に刑事罰が科されることになるかどうかはまた別ですが、この事件では第1項第4号に該当していると考えられます。

現場となったゲームセンターの店員が挙動不審だった被疑者に声をかけたところ逃げたとされているので疚しいことをしていたのは明白で、盗撮していたのがスカート内の下着等ではなかったとしても卑わいな言動ということで逮捕されるのは仕方ないでしょう。

しかし一方で、罰金などの刑事罰が科されるほどの内容かというと疑問もあります。勿論今後の捜査の中で下着盗撮等の余罪が出てこないとも限りませんが、被疑者が初犯でこの内容の事件だけであれば態度次第ではお叱りを受けるだけで不起訴という可能性もあるのではと思われます。

障がい者支援施設で16歳女子高生を盗撮…56歳元職員を再逮捕 8月には胸触り逮捕 札幌市

勤務していた北海道札幌市の障がい者支援施設で16歳の女子高校生の姿を盗撮し児童ポルノを製造したとして、56歳の男が再逮捕されました。

児童ポルノ禁止法違反の疑いで再逮捕されたのは、札幌市北区の無職の56歳の男です。

男は2019年6月20日、勤務していた札幌市北区の障がい者支援施設で、デイサービスに通っていた16歳の女子高校生の姿を無断で撮影し、児童ポルノを製造した疑いがもたれています。

男は8月にこの女子高生の胸を触ったとして北海道青少年健全育成条例違反の疑いで逮捕されていて、捜査を進める中で容疑が浮上しました。

調べに対し男は「撮影はしていないし、児童ポルノも作っていない」と容疑を否認しているということです。男が勤務する施設では障がいがある子どもの自立支援などを行っていて、警察が余罪を含め調べています。
引用元 : UHB北海道文化放送 2019年9月10日 19時45分配信

障がい者支援施設の職員による児童ポルノの盗撮製造事件です。今回の被害者と同じ女子高生の胸を触ったことで先月青少年健全育成条例違反により逮捕されているようですが、今回の児童ポルノ製造については否認とのことです。青少年健全育成条例違反の認否が不明で、そちらでも否認しているのでしょうか。

「デイサービスに通っていた16歳の女子高校生の姿を無断で撮影」とされており、これが児童ポルノの製造と判断されたということは施設内でのトイレや着替え、入浴などを盗撮したものと思われます。「児童ポルノを作っていない」というだけの否認なら児童ポルノになると思っていなかったということが考えられますが、撮影自体を認めていないようなので完全に否認していると見られます。

青少年健全育成条例違反が被害者の証言で成立したとしても、児童ポルノの製造について被害者の証言だけで再逮捕するのは困難と思われますので、先に逮捕されていた事件の調べの中で画像や動画などのデータが出てきているのではないでしょうか。動かぬ証拠が出てきているのであればいくら否認しても主張が認められることは無さそうに感じます。

一方で気になるのは被害者の胸を触ったという行為が強制わいせつではなく青少年健全育成条例違反になっている点です。支援施設の職員が立場を悪用するなどして被害者の同意無く胸を触ったのという事件なら強制わいせつになるはずであり、それが青少年健全育成条例違反になっているということは強制わいせつではなかったということなのでしょうか。

刑法 第176条

13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

北海道青少年健全育成条例 第38条

何人も、青少年に対し、淫行又はわいせつな行為をしてはならない。
第2項
何人も、青少年にわいせつな行為をさせてはならない。
第3項
何人も、青少年に対し、淫行又はわいせつな行為を教え、又は見せてはならない。

北海道青少年健全育成条例 第57条

第38条第1項又は第2項の規定に違反した者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

北海道青少年健全育成条例 第58条

第38条第3項又は第39条の規定に違反した者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

以上のように罰則の違いは明らかですので、被害者に被疑者への処罰感情があって強制わいせつの要件を満たしていれば普通は強制わいせつで逮捕されるべき事件であろうと思われます。

いわゆる淫行条例と言われるものなので被害者の胸を触った行為が強制わいせつではないとしたら、その捜査の過程で出てきた盗撮による児童ポルノの製造と被疑者の否認ということについてもやや謎に感じる面があります。同意があっても児童の姿態を撮影していれば児童ポルノの製造になるところ、被疑者は撮影もしていないと言っています。

そうしたところで疑問を感じる点が残されていますが、いずれも立証されれば50万円程度の罰金は避けられないのではと思われます。ただ、どういう背景があるのか気になる事件でもありますので、続報があるかどうかも含めて注視していきたいと考えています。

専門学校の女子トイレに忍び込み盗撮か 20歳男逮捕「男子トイレ空いてなかったから」と否認

専門学校の女子トイレに忍び込み盗撮をしていた20歳の男が逮捕されました。

建造物侵入および県迷惑行為等防止条例違反の疑いで逮捕されたのは、金沢市直江町の専門学校生(20)です。

調べによりますと、容疑者は9月4日、通っていた専門学校の女子トイレで個室に入った女性を盗撮した疑いです。

調べに対し、容疑者は「女子トイレに入ったのは男子トイレが空いていなかったから。盗撮目的ではない」と容疑を否認しています。
引用元 : 石川テレビ 2019年9月13日 17時15分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。

専門学校生による女子トイレへの侵入と盗撮事件です。こちらでも被疑者は否認しており、「女子トイレに入ったのは男子トイレが空いていなかったから」と供述しているようです。また、犯行から1週間とちょっと後に逮捕されている後日逮捕の事件です。

ただしこちらは、「盗撮目的で女子トイレへ立ち入ったのではなく盗撮もしていない」ということなのか「盗撮目的で女子トイレへ立ち入ったのではないが盗撮はした」ということなのか定かではありません。記事の文面は建造物侵入への否認だけですが、男子トイレが空いてなくて女子トイレへ入りその後に盗撮することを思いついて盗撮したという後者のケースもあり得なくはありません。

無銭飲食の話が有名ですが、最初から支払う意思が無いのに食い逃げした場合は詐欺罪が成立するところ、例えば最後に支払うときに財布を忘れたことに気付いて食い逃げした場合は詐欺罪が成立しないという風に、女子トイレへ立ち入った理由が本当に男子トイレが空いていなかったからなのか、又は最初から盗撮目的だったのかというのは建造物侵入に当たるかどうかという点において重要ではあります。

しかし、この事件では建造物侵入以外に迷惑防止条例違反の疑いもありますので、盗撮の方で立件できるなら建造物侵入はあっても無くても最終的な罰に大した違いは無いかなと感じます。

迷惑防止条例違反についてどんな行為をしたのか、又はしていないのかという点ですが、石川県の迷惑防止条例では盗撮目的でカメラ等を向けたり設置したりする盗撮準備行為を処罰の対象とする規定がありませんのでこれで逮捕されているわけではなく、即ち現に盗撮したと思われる証拠があって逮捕したのだろうと考えられます。

石川県 迷惑行為等防止条例 第3条

何人も、公共の場所又は公共の乗物において、人に対し、みだりに、人を著しく羞恥させ、又は人に不安若しくは嫌悪の情を催させるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 人の身体に、直接又は衣服その他の身に付ける物(以下「衣服等」という。)の上から触れること。
  2. 衣服等で覆われている人の身体又は下着をのぞき見すること。
  3. 衣服等で覆われている人の身体又は下着を撮影すること。
  4. 前三号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。
第2項
何人も、公共の場所又は公共の乗物にいる人に対し、みだりに、衣服等を透かして見ることができる写真機等を使用して、次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 衣服等で覆われている人の身体又は下着を見ること。
  2. 衣服等で覆われている人の身体又は下着を撮影すること。
第3項
何人も、住居、浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服等の全部又は一部を着けない状態でいるような場所で当該状態にある人に対し、みだりに、次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 人の身体又は下着をのぞき見すること。
  2. 人の身体又は下着を撮影すること。
第4項
何人も、集会場、事務所、教室その他の特定かつ多数の者が利用するような場所において、人に対し、みだりに、人を著しく羞恥させ、又は人に不安若しくは嫌悪の情を催させるような方法で、衣服等で覆われている人の身体又は下着を撮影してはならない。

この事件では現場が女子トイレですので第3項第2号に該当していると考えられます。

ですが、盗撮準備行為ではなく現に盗撮行為に及んだ証拠と言っても後日逮捕ですので、被疑者が現場にスマホやカメラを残して逃げたというような間抜けな顛末でも無い限り、盗撮したデータを証拠として事前に押さえた上で逮捕したわけではないと思われます。そうなると被害者が盗撮に気付いていてその証言でもって逮捕したのかもしれませんが、これだけだと証拠としてはやや弱いと考えられます。

今後の捜査で当日の現場での盗撮データの有無や他の余罪の有無などが調べられるでしょうが、現行犯逮捕やそれに準ずる逮捕ではないので動かぬ証拠が出てこないと盗撮行為の立証は難しいのではないでしょうか。現場で被害者に気付かれたことを知っているなら逮捕されるまでに証拠を処分することもできますし、建造物侵入も迷惑防止条例違反も証言頼みでは苦しいでしょう。

調べを進める内に認めれば罰金としては30万円程度でしょうか。ただ、被疑者がまだ20歳ですので、認めた上で十分な反省の態度などを示せば不起訴ということもあるかもしれません。現在はまだ否認しているようですので、刑事もその線で攻めて認めさせようとするのではないでしょうか。

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