先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。
「盗撮ハンター」手口で110万円恐喝 容疑で男女逮捕「毎週やった」
スカート内を盗撮した男性から現金を脅し取ったとして、警視庁池袋署は恐喝容疑で、いずれも群馬県伊勢崎市山王町の古物商の男(34)と職業不詳の女(35)の男女2人を逮捕した。東京都内では、同様の手口で現金を脅し取る「盗撮ハンター」と呼ばれる恐喝被害が相次いでおり警視庁が捜査している。
逮捕容疑は5月24日、豊島区東池袋の商業施設で、女のスカート内をビデオカメラで盗撮した20代の男性に対し、男が「俺の女なんだけど」「彼女が警察に行くかもしれないよ」などと声をかけ、現金110万円を脅し取ったとしている。
池袋署によると、2人は内縁関係で、男が女に丈の短いスカートをはくよう指示していたという。
女は調べに容疑を認め、「盗撮しそうなやつは大体わかる。1年前ぐらいから池袋や秋葉原で毎週同じことをやっていた」と供述。男は容疑を否認している。
引用元 : 産経新聞 2020年8月3日 16時12分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。
盗撮した男性を捕まえてお金を要求する盗撮ハンターが捕まったという事件です。これまで報じられている盗撮ハンターの事件と異なっているのは盗撮される女性もグルになっている共犯者で、わざと短いスカートをはかせて盗撮させていたという点でしょうか。
盗撮しそうな人と盗撮されそうな人をいずれも見つけなければならない従来の盗撮ハンターでは確かに効率が悪いので被害者役も自ら用意するのは理に適っていると言えなくもありません。実態としてはほとんど美人局のようなものですが、グルである事がバレなければ盗撮自体は確実に違法行為なので脅しやすいという事もあるのでしょう。
因みにこれまでの盗撮ハンター事件を振り返ってみたところ、何故かどれも池袋に集中しています。当サイトで今年取り上げている分だけでも5月の事件、2月の事件、1月の事件といずれも池袋での事件です。
池袋は盗撮ハンターが仕事をしやすいのか、他の繁華街などでも発生しているところ池袋警察署が積極的なだけなのか、或いは偶々なのか、例えば新宿や渋谷で起きていても良さそうなものですが何故盗撮ハンターと言えば池袋なのかどうも気になってしまいます。
今回逮捕されている事件は恐喝既遂のようで、被疑者のうち男の方は否認しているようですが女の方が認めているので裁判で争われても有罪は間違い無いと思われます。恐喝は既遂でも未遂でも罰金刑の規定は無いので良くても執行猶予付きの懲役刑となりますが、執行猶予が付くかどうかは余罪や前科の有無も影響してくるでしょう。
刑法 第249条
- 人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
- 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
初犯で今回の事件だけなら認めて反省していれば執行猶予が付くかもしれませんが、前科があったり他の余罪も立件されたりしてくるようだと一発で実刑判決が下る事もあり得るのではと思われます。恐喝はそれくらい厳しい罰則が待っています。
盗撮容疑者、身柄確保の直前に死亡
警視庁の捜査で女性のスカートの中を盗撮した疑いが持たれていた50代の男性が、捜査員に身柄を確保される直前に自宅マンションから飛び降り、死亡しました。
マンション20階の部屋から飛び降り死亡したのは、東京・中野区に住む50代の男性で、先月、都内の駐輪場で15歳の少女のスカートの中をスマートフォンで盗撮した疑いがもたれていました。
警視庁によりますと、監視カメラの捜査で関与が浮上したため、4日朝、捜査員が自宅マンションを訪問。男性は、インターフォンで「服を着替えるまで待ってください」と応答したものの、しばらく反応がなかったため、捜査員が合鍵を使って部屋に踏み込んだところ、その直後にベランダから飛び降りたということです。警視庁は「適切な捜査だった」としています。
引用元 : TBS 2020年8月4日 12時34分配信
警察官が盗撮事件の被疑者宅を訪ねたところその被疑者が飛び降りたというニュースです。おそらくは警察官が逮捕状を持って被疑者を逮捕しに行ったという事なのでしょうが、逃げられないと観念したのかマンションから飛び降りてしまったようです。20階からとの事なので当然ながら飛び降りた被疑者は死亡しています。
心当たりが無いなら流石にこんな事はしないと思いますのでスカート内を盗撮した疑いというのは事実だったのだろうと思われます。ニュース映像として出ていた自宅マンションは立派なものでしたので被疑者にそれなりの収入や地位があった事が窺えます。逮捕される事に耐えられず飛び降り自殺してしまったのでしょうか。
そこまで追い込まれるなら最初から盗撮などしなければ良いというのは普通の人の考え方で、盗撮に限らず大部分の犯罪は捕まる事を想定しない(捕まらないと思ってやっている)のでいざ逮捕されるとなると中にはこんな突拍子も無い事をする人も稀にいます。傍から見れば捕まらないわけない、捕まってもおかしくないという話でしかないのですが、本人は捕まる事は考えていないわけです。
こういう事態になると捜査に問題は無かったのかといった話も出てくるので「適切な捜査だった」と警察がわざわざコメントしていますが、突然自宅に踏み込んだわけでもなく服を着替える猶予も与えていますので実際に問題が無い適切な捜査だっただろうと思われます。
これが適切でないなら今後はわざわざインターフォンを鳴らさず突入して有無を言わさずに逮捕状を執行し即身柄を押さえるような事を当たり前にしなければ自殺の可能性まではヘッジできないでしょう。当然そんな事をすれば今度は強引過ぎると叩かれるのは火を見るよりも明らかです。
被疑者死亡という事になりますので今後ある程度の捜査は行われて書類送検はされるとしても不起訴になります。スカート内をスマホで盗撮したというだけの事件ですので厳しくてもせいぜい30万円程度の罰金といったところだったでしょうか、何も自殺までする事は無かったのでは…と感じますが、本人にとっては自殺する程に逮捕は嫌だったのでしょう。
コンビニでスカート内盗撮、少年逮捕 毎度何も買わず「不審」防犯カメラで行動確認
コンビニでレジに並んでいる女性のスカート内をスマートフォンで撮影したとして、兵庫県警姫路署は6日、県迷惑防止条例違反の疑いで、同県太子町の会社員の少年(19)を現行犯逮捕した。同署の調べに容疑を認めている。
姫路署によると、少年は同じコンビニを約1カ月の間に5回ほど訪れ、何も購入せずに退店していた。不審に感じていた店側が6日に来店した少年の様子を防犯カメラでチェックしていたところ、スカート内にスマホを差し入れるような行動が確認されたため、110番した。
逮捕容疑は6日午後0時10分ごろ、姫路市内のコンビニで、レジに並んでいた最後尾の女性(27)のスカート内をスマホで動画撮影した疑い。
引用元 : 神戸新聞 2020年8月6日 18時34分配信
コンビニ内でのスカート内盗撮事件ですが、被疑者が未成年ですので少年事件となります。同じコンビニに来ていつも何も買わずに出ていくとの事で店側に不審に思われていたようですが、マークされていた状況で盗撮行為に及んだところを現行犯逮捕されました。
毎回何も買わずに出ていっていたため怪しまれていたとの事なのでそれなりの頻度だったのかと思いましたが、約1か月の間に5回程との事でそこまで頻繁ではないようにも思えます。せいぜい週に1,2回といったところで、それくらいなら立ち読みして何も買わずに帰る客(何も買ってないので細かい事を言うと客ではないですが)なども珍しくないのでそんなに記憶に残るものだろうかと考えてしまいます。
筆者も過去にコンビニでアルバイトをしていた事がありますが、何も買わずに帰るというのは応対する必要が無いのでアルバイトにとっては悪い存在ではなく、むしろ記憶に残りづらいと言えます。1日に何度も来るならともかく、週に1,2回程度では覚えていられるものではなかったと思います。
それでも店側に不審に思われていたというのは余程挙動不審だったのかもしれません。もしかすると当初は万引きを疑われていた可能性もありますが、その程度の頻度でも怪しいと思われるような動きがあったのではないでしょうか。
至るところを防犯カメラに捉えられているコンビニでスカート内にスマホを突っ込むという雑な手口ですので捕まるのは時間の問題だったろうと思われますが、被疑者にとって不幸中の幸いだったのはまだ未成年で少年事件として扱われる事でしょうか。事件の内容を見ても成人と同じように扱われるような事件でもないでしょう。
勿論余罪等は調べられるでしょうが、罰金などの処分はおそらく無く厳しくてもせいぜい保護観察処分で、謝罪や反省の態度、被害者との示談の行方によっては不処分ということもあり得るのではと思われます。