盗撮などの性犯罪での逮捕やその前後に関する情報を配信してまいります。

盗撮で逮捕される日

ニュース考察

先週の盗撮事件ニュース(10月15日~10月21日)

更新日:

先週報道された盗撮に関するニュースに触れてまいります。

女子生徒の着替えを「クラス担任の男性教師」が「盗撮」 教卓の上に“不自然な段ボール”…中にはカメラが

兵庫県西宮市の市立中学に勤務する男性教師が、教室で女子生徒の着替えを盗撮した疑いがあることが分かりました。

迷惑防止条例違反の疑いで警察から事情を聞かれているのは、西宮市の市立中学の29歳の男性教師です。

西宮市の教育委員会によると10月9日、体育の授業を終えて教室で着替えていた3年生の女子生徒が教卓の上に不自然に段ボール箱が置かれているのを見つけました。取っ手部分の穴からは、ビデオカメラのレンズが覗いていて、確認をしたところ録画中になっていたということです。

その後、校長などがクラスの担任だった男性教師に聞き取りをしたところ、「初めてやった。なぜやってしまったのか分からない」と話し、11日に警察にビデオカメラを提出しました。学校は、13日に臨時の保護者会を開き、謝罪をしています。
引用元 : 関西テレビ 2018年10月15日 12時18分配信

教員による迷惑防止条例違反の疑いとのことですが、女子中学生の着替えを盗撮したとのことなので児童ポルノ禁止法違反ではないかとも思われる事件です。

まず、兵庫県の迷惑防止条例では盗撮の規制範囲に「不特定又は多数の者が利用するような場所」として学校内の教室が含まれており、また、盗撮目的でカメラ等を設置する行為も処罰対象ですので、迷惑防止条例違反に該当することは間違い無いと考えられます。

兵庫県 迷惑防止条例 第3条の2

何人も、公共の場所又は公共の乗物において、次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動
  2. 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を撮影する目的で写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下「写真機等」という。)を設置する行為
第2項
何人も、集会所、事業所、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用するような場所(公共の場所を除く。)又は乗物(公共の乗物を除く。)において、次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を写真機等を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向ける行為
  2. 前項第2号に掲げる行為
第3項
何人も、正当な理由がないのに、浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる人を写真機等を用いて撮影し、撮影する目的で写真機等を向け、又は撮影する目的で写真機等を設置してはならない。

女子中学生が着替えている場面を盗撮すればこれを通り越して児童ポルノの製造ということになりますので、現時点でそれに触れられていないのは着替え始める前(女子生徒が衣服を脱ぐ前)にバレたことで児童ポルノ製造に至っていないのか、あるいは今後改めて児童ポルノ禁止法違反での再逮捕等があるのか、といったところでしょうか。

以前取り上げた記事でも教員が女子児童を盗撮し、最初は迷惑防止条例違反で逮捕され、その後児童ポルノ禁止法違反で再逮捕されている例があります。

カメラを仕込んでいたとされる段ボールは取っ手部分の穴からレンズが覗いているのが即バレするお粗末なもので、報道でわざわざ不自然と表現されるほど不自然な置かれ方だったようなので「初めてやった」というのは本当なのかもしれません。

しかし「なぜやってしまったのか分からない」という弁解はいただけません。教え子である女子生徒の着替えを覗きたいという性欲が動機になっているのは誰が見ても明らかなので、こんな弁解をしても誰にも理解されず印象が悪くなるばかりでしょう。

初めてやったというのが嘘で、今後の調べの中で児童ポルノ盗撮製造の余罪の証拠が出てくるようだと話が変わってきますが、おそらくは初犯と見られますので児童ポルノ禁止法違反になったとしても公判請求は無く罰金刑で済む程度ではないでしょうか。

迷惑防止条例違反と児童ポルノ禁止法違反とでは罰金刑だったとしても額が違ってくるでしょうが、この事件だけであれば30万円から50万円といったところではと思われます。しかし、学校の教室内で教員が教え子の着替えを狙ったとなれば懲戒処分としては免職を避けられないかもしれません。

靴カメラ、メガネ型、Wi-Fi搭載……盗撮のテクノロジー進化に気をつけろ

本来は防犯グッズであるはずの“盗撮機”の進化が止まらない。もはや女性に「グッズを見破れ」とか、「盗撮に気付け」というレベルにはない状態になっている。

例えば、ボールペン型、メガネ型、スマホケース型、USB型、ボタン型、紙コップのフタを偽装したカメラ……。Wi-Fi搭載の超小型カメラもあり、専用のアプリをインストールすれば、スマホをリモコンとして使うことができる。そんな商品が存在することを知っていなければ、おそらく女性は目の前で盗撮されていても気付かないだろう。

(中略)

この事件をきっかけに靴カメラは市場から姿を消したが、盗聴器や盗撮機を駆除する業者は「あんなものは簡単にできますよ。靴の先に穴を開けるだけですから。雨の日はレンズが曇るし、外で撮るとハレーションを起こすから、彼らは屋内にいる女性を狙うんですよ」と話す。ある盗撮犯は「顔と下半身の別撮りは基本。被写体の顔さえよければ、スカートの中は合成でも売れる」などと公判で述べた。
引用元 : 文春オンライン 2018年10月16日 21時0分配信

こちらは特定の盗撮事件に関する記事ではなく、盗撮に使われる機材や盗撮の罪などに触れて注意を促す内容の記事になっています。

記事の中で取り上げてられている通り現在はカメラの小型化や高性能化などにより様々なカモフラージュカメラが出回っています。もちろんそうしたカメラでもスカートの下に差し入れるといったような露骨な挙動ではバレバレなわけですが、一口に盗撮と言ってもいわゆる逆さ撮りとは限りません。

「顔と下半身の別撮りは基本」と記事の中でも言われているように、例えば顔を撮ろうとだけ思えば列挙されているようなカモフラージュカメラが適している場合もあり、それこそ「女性は目の前で盗撮されていても気付かない」と言えます。

ここが第二の問題なのだ。現在の取り締まり状況では、盗撮犯に対する刑罰が軽すぎるのである。通常の盗撮犯の場合、初犯で、被害者との示談が成立していれば、まず不起訴処分になる。2回目なら罰金30万円、3回目なら罰金50万円が“相場”だ。4回目になってようやく懲役刑を科される可能性が出てくるが、大半のケースでは執行猶予付きの有罪判決が言い渡されるのが関の山だ。

それでも執行猶予中に5回目をやるようなアホだけが刑務所に行くのかと思いきや、性暴力事件に詳しい 犯罪被害者支援弁護士フォーラム 事務次長の上谷さくら弁護士(第一東京弁護士会)によると、「情状によっては再度の執行猶予が付くことも十分あり得ます。私は盗撮だけで刑務所に行ったという人の話を聞いたことがありません」というのが“実態”なのだ。
引用元 : 文春オンライン 2018年10月16日 21時0分配信

次に迷惑防止条例違反で捕まった際の刑罰について、刑罰が軽いということを強調するためにやや誇張しているのかもしれませんが、今ではここまで軽いというか甘い処分になることはあまり無いと感じます。

まず、「初犯で被害者との示談が成立していれば不起訴」というのは何も盗撮に限った話ではありませんし、その肝心の示談が難しい場合が少なくありません。盗撮の場合は物理的な怪我や金銭的な損失があるわけではなく感情だけなので、お金の問題ではないと示談に応じないケースも多くあります。

1回目は不起訴という前提が甘いので2回目以降もズレてくるわけですが、最後の「再度の執行猶予が付くことも十分あり得る」というのも弁護士の認識としては甘すぎるのではないでしょうか。執行猶予中に罪を重ねたのに再び執行猶予が付くというのは今ではほぼ皆無に等しい処分です。

「盗撮だけで刑務所に行ったという人の話を聞いたことがありません」とも述べられていますが、単に知らないだけではないでしょうか。そこまで繰り返すのは確かに珍しいケースではあるものの判例集を見れば載っているレベルの話です。

9月8日、犯罪被害者支援弁護士フォーラムは東京都内でシンポジウムを開き、刑法に「盗撮罪」を創設すべきだと訴えた。罰則についての提案の概要は下記の通りである。

〈単純な盗撮の場合、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金〉
〈盗撮により得られた記録を人に提供したり、譲ってもらったりした場合、2年以下の懲役又は200万円以下の罰金〉
〈不特定若しくは多数の者に提供、又は陳列した場合、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金〉

だが、多くの盗撮犯を取り締まる各自治体の迷惑防止条例の罰則が「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」(東京都など)であることを考えると、これまでの実効性の乏しさからして、甘すぎるのではないか。

「我々もこれで満足しているわけではない。これが盗撮罪を作るとっかかりになればいい。刑法のさらなる改正として、法制審議会の中で議題として取り上げていただきたいということです」(犯罪被害者支援弁護士フォーラム事務局長の高橋正人弁護士)
引用元 : 文春オンライン 2018年10月16日 21時0分配信

最後は盗撮罪の創設を訴える内容です。都道府県ごとの迷惑防止条例で規制し処罰するのではなく、刑法で規定して厳しく取り締まろうという趣旨と思われます。

これについては以前筆者が盗撮動画の販売の取り締まり方として挙げた案に近いものになっています。誰かに提供したりネットに流したり、販売したりといった場合に罪が重くなる点などで共通しており、考え方としては概ね同じなのではないでしょうか。

しかし盗撮罪を作ったところで重くし過ぎれば他の罪とのバランスが悪くなり、罰が同じくらいならばとより悪質な性犯罪に発展する恐れもあるので難しいものです。新たに厳しい罰を規定するというよりは、都道府県ごとの条例の定めの違いにより検挙される場合とされない場合がまちまちという状況を整備することから始めた方が良いように感じます。

盗撮容疑で高校教諭逮捕 駅で女子高生のスカート内 三重

三重県の津署は18日、県迷惑防止条例違反(盗撮)の疑いで、津市一身田町平野、県立津商業高校教諭(54)を逮捕した。

逮捕容疑は6日午後10時ごろ、同市羽所町の津駅西口のエスカレーターで、県内在住の女子高生(17)の背後から、スマートフォンをスカートの下にかざし、動画を撮影した疑い。「酒に酔っていたので覚えていないが、相手が盗撮されたというのならそうだと思う」と容疑を一部否認している。

同署によると、近くにいた男子高校生が声を掛け、同駅から通報した。駆けつけた同署員がスマートフォンを見せるよう求めたが拒まれたため任意同行を求め押収し、動画を分析して逮捕した。

容疑者は津商業の陸上競技部女子駅伝チームの監督を務め、平成18年の全国高校駅伝競走大会に初出場し、昨年は3年連続9回目の出場を果たした。全国都道府県対抗女子駅伝県チームのコーチを務めた。

同校の西尾雅二校長は「生徒や親の信頼を裏切り申し訳ない気持ちでいっぱい」と陳謝。「陸上部には他の顧問もいる。まだ何も決まっていないが、まずは生徒第一で考えていく」と述べた。
引用元 : 伊勢新聞 2018年10月19日 11時0分配信
※被疑者の氏名部分を修正しております。

こちらも教員による盗撮事件です。盗撮の被疑者として報道されやすい属性ではありますが、毎週必ずこうしたニュースを見かける気すらしてきます。

容疑を一部否認しているというのは「酒に酔っていたので覚えていない」という供述に対してそう表現していると思われますが、それに続く「相手が盗撮されたというのならそうだと思う」というのは無責任な言い方にも感じられるものの、やっていないというニュアンスの否認ではないようです。

しかし、スマホの提示を拒んだというのは往生際が悪いです。目撃者として男子高校生がおり、そんな中でスマホを見せるように言われて拒否するというのは誰が見てもやったと疑うことでしょう。

駅伝の指導員としては優れていたと見られ、盗撮の被疑者がたまたまそうした背景を持っていたことでその点が強調されて報じられています。ところが酒に酔っていたとはいえスマホ+エスカレーターという定番のお粗末手口で残念な結果を迎えることになってしまいました。

なお、この事件では盗撮行為に及んでいて迷惑防止条例違反が成立することは間違い無いと思われるため直接関係しませんが、三重県の迷惑防止条例は盗撮に関して規制される場所や行為の定めがやや緩いようです。

三重県 迷惑防止条例 第2条

(第1項略)
第2項
何人も、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、正当な理由がないのに、人を著しくしゆう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
  1. 人の身体に、直接又は衣服その他の身に着ける物(以下この条において「衣服等」という。)の上から触れること。
  2. 衣服等で覆われている人の身体又は下着をのぞき見し、又は撮影すること。
  3. 前二号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。
第3項
何人も、みだりに、公衆浴場、公衆便所、公衆が利用することができる更衣室その他公衆が通常衣服等の全部又は一部を着けない状態でいる場所における当該状態にある人の姿態を撮影してはならない。

他の自治体の条例と比較するとわかるように、規制範囲が主に公共の場所に限定されているため会社や学校での盗撮を処罰できず、盗撮目的でカメラ等を向けたり設置したりする行為にも規制が及ばない内容です。

おそらく条例改正に向けた検討はされていると思われますが、迷惑防止条例違反が適用できずに建造物侵入での検挙になったり、場合によっては建造物侵入にも該当しないということはあり得ますので早急な条例改正が必要ではないでしょうか。

この事件の処分については、手口その他で特別に悪質と見られる部分も無いので厳しくても30万円程度の罰金、あるいは懲戒免職などの社会的制裁があればそれを考慮して不起訴も考えられるのではないかと思います。

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